第一展示室「原模型の真髄」~原氏こだわりの模型を展示
第一展示室には、原氏が初めて製作したオリジナルな車両やコレクションの中でも特に希少性の高い車両を展示してある。■第二次世界大戦前に朝鮮で走っていた金剛山電気鉄道の電車
日本が運営していた観光鉄道だったが、第二次大戦、朝鮮戦争で破壊、消滅した幻の鉄道である。金剛山は、現在では、北緯38度線近くの北朝鮮領内に位置する。
いわゆる青い客車ではなく、初期のもの。車内のテーブルに載った食器、乗客の様子など実に精巧に出来ている。屋根をはずしてあるので、上部からのぞくことができる。
ほかにも
- 戦前の箱根登山鉄道電車
- 阪神電鉄の木造電車
- スイスの電気機関車
- 明治末期の幻の列車を再現した「或る列車」
第二展示室「語る模型」~大コレクションを分類展示
「高速機関車物語」「クラシック木造車輛物語」「各国旅列車物語」などテーマに沿って模型を分類、展示してある。模型スケールは、Oゲージ(線路幅32mm、縮尺1/43~1/48)および1番ゲージ。以下に、気になる展示模型を紹介する。■世界最速を競った蒸気機関車2両
(上)戦前のドイツ国鉄(DRG)05(ゼロゴ)形。赤い流線形が特徴で、1936年に2号機が試験走行で200.4km/hを記録。蒸気機関車牽引列車で200km/hを越えたのは世界初。
(下)イギリスのロンドン・アンド・ノース・イースタン鉄道(LNER)の蒸気機関車A4形(4468号機)通称「マラード」。青い流線形の機関車で、1938年に瞬間最高速度203km/hを記録。これが蒸気機関車による世界最高速度と認定されている。
■有名な特急列車を牽引した蒸気機関車
(上)アメリカで一世を風靡したニューヨークセントラル鉄道(NYC)の「20世紀特急」(ニューヨーク~シカゴ)を牽引した流線形のJ-3a形蒸気機関車。
(下)ドイツの代表列車「ラインゴルト」(オランダ~ドイツのライン河沿い~スイスを走行した国際列車)を牽引した名機01(ゼロイチ)形蒸気機関車。
■20世紀のヨーロッパで活躍した有名な電気機関車
フランスBB9000形や、旧西ドイツ国鉄(ドイツ連邦鉄道=DB<デーベー>)E03形試作機(量産機は103形。赤とクリームの塗り分けでTEEやインターシティを牽引、20世紀後半に大活躍した)など。
展示室手前には、原氏の人生と鉄道の歴史を年表で掲示。奥には原氏自宅にある非公開の大レイアウト、「シャングリラ鉄道」の写真を壁一面に貼ってある。シャングリラShangri-Laとは、イギリスの作家ジェームズ・ヒルトンの小説『失われた地平線』に登場するユートピアの名称。原氏の「理想の鉄道世界をつくる」という想いがこめられているとのこと。