室内湿気の盲点は小屋裏
湿気はどうしても目の届く範囲だけの対策になりがちですが、意外な盲点は屋根裏にあります。屋根は壁よりもはるかに気候の影響を受けやすい箇所。例えば夏季の表面温度は約80度となり、冬季の表面温度は外気温より約5度も低いのです。特に北側では、屋根の小屋組みなどは一度水が浸入すると、湿潤状態が続き、他の屋根面よりも低温になるため、湿気を吸着しやすくなります。家の長寿命を考えるのであれば、最も性能を高め配慮しなければならない箇所でしょう。しかしその役割の大きさに対して、かけるコストや関心は、あまりにも低いといえます。
小屋裏空間へ水分や湿気が入り込む経路
チェックポイント&アドバイス
解体現場に立ち会うことが多いのですが、その際に屋根の野地板や、垂木の腐り、またはそれらを緊結する釘が錆びている事例を多くみます。そのような場合、大半で野地板に結露の跡がみられます。その結露や湿気が釘の錆を発生させているのです。対策としてはもちろん、きちんとした施工が基本です。しかし建て主としても、一年に一回くらいは、天井点検口から小屋裏をのぞいて、金物のゆるみまたは釘のさびなどを確認すると良いでしょう。また、小屋裏の風の流れなどもチェックしましょう。小屋裏の通風は、屋根の妻側や軒部分に何カ所か換気口を設けることで得られます。
現代の家では、べた基礎が主流となったため、床下の湿気が随分と防げるようになりました。意外な盲点は、小屋裏の換気なのです。