碓氷峠を行き交った電気機関車
碓氷峠鉄道文化むらの鉄道展示館内に置いてある電気機関車は、ED42のほかにEF63形とEF62形がある。EF63形は、「横軽」の碓氷峠のヌシだったので、園内では何両も見かける。運転台シミュレーションだけではなく、本物のEF63形を実際に運転できる「体験コース」がある。学科講習を受けてから、指導員に付き添われて400mほどの線路上(廃線を利用)を往復するものだ。費用も時間もかかる(2日以上必要)が、トライする価値はあるだろう。●EF63形電気機関車運転体験コース
学科講習受講料 3万円
実技講習走行料 5000円より(いずれも要予約)
EF62形は信越本線で使用された電気機関車。ブルートレインなどの客車列車や貨物列車牽引に活躍した。ちなみに、横軽通過時には、軽井沢へ向う時(上り勾配)は<EF62形+客車(または貨車)+EF63形2両>、横川へ向う時(下り勾配)は<EF63形2両+EF62形+客車(または貨車)>という編成で、碓氷峠を下る時は機関車三重連となり壮観だった。但し、碓氷峠を通過する貨物列車は1984年に全廃、客車列車も激減したため、臨時列車が走行する時は話題になるほどだった。
旧横川運転区の建物を再利用した、碓氷峠鉄道文化むらの鉄道資料館には、碓氷峠の鉄道建設時から廃止に至るまでの100年を越える歴史が写真と貴重な資料で展示されている。また、碓氷峠を中心とした鉄道模型レイアウト(ジオラマ)も設置され、SL列車から新幹線に至るまで、多種多様な模型列車が走り回る様子を楽しむことができる。
鉄道車両屋外展示スペース
蒸気機関車はD51形96号機のみ、メインは旧国鉄時代から活躍した電気機関車達である。信越本線や上信越地区にとどまらず、関門トンネルで働いたEF30形、北陸本線用EF70形、山陽本線の難所瀬野~八本松(通称セノハチ)で使用されたEF59形など、バラエティに富む。他には除雪用ディーゼル機関車DD53形、線路工事などに使われた操重車ソ300など珍しい車両もある。また、高崎をベースに活躍したお座敷客車「くつろぎ」は、休憩所として車内が開放され、往時をしのぶことができる。