デジタル化のための小さな工夫
もちろん「普通」と言っても、そこは未来の普通ですから、デジタル化のための機能はしっかりしています。まず、切り離せる機能ですが、これが単にミシン目が入っているというだけではありません。切り取れる場所は切り欠きになっていて、ページの端を曲げたり、ミシン目以外をうっかり破ったりすることなく、ガイド納富のような不器用な人でも失敗なくキレイに切り離せるようになっています。しかも、10ページ程度なら軽々と一気に切る事が可能。丁寧に行えば、全ページを一気に切り放す事も可能です。この「切り離しやすさ」は特筆すべき点。ページのノドの部分がグレーになっているのは、スマートフォンなどのスキャンアプリの多くが、色の変化でページの切れ目を検出するように作られていることに目をつけた機能。このグレーの帯のおかげで、スマートフォンで撮影した時に、片側のページだけを上手く取り込む事ができるのです。
さらに、ノート全体を一つの資料として扱いたい場合、従来のノートでは表紙を上手く切る事ができず、その結果、スキャンも上手く行かないという事がありました。それを考慮して、切り離しやすい扉紙も用意されています。この扉紙を表紙代わりに使えば、Evernoteなどで活用する際にも、サムネイルとして利用できます。
細かいことですが、ノートの表3(裏表紙の表)に、細かくスキャンの仕方が書かれているのも嬉しい配慮です。ノートにスキャナでノートを読み取る際の注意事項が書かれているなんて、少し前では考えもしなかったことです。
ガイド納富の「こだわりチェック」
再三、この記事の中でも書いているように、「スキャンノート」は、普通のノートです。だから、普通にノートとして、ガシガシ使って欲しいと思うのです。普通に大量に使っていると、自然と、スキャンしたいページも出てきます。その時に、さっと切り離して、「Scan Snap」に入れるだけで、簡単にデジタル化できてしまうと、それが、手書きのデジタル化の最良例。そういう使い方が積み重なって行く内に、デジタルとアナログの住み分けや共存が、勝手にできるようになります。「スキャンノート」の、「普通さ」、「わざわざ感のなさ」は、そういった、デジタル化の習慣を、知らず知らずに身に付ける事に繋がります。例えば、この「スキャンノート」は、カタログスペックだけを見ると、同じキングジムの「SHOT NOTE」と比べても随分見劣りします。ドキュメントスキャナを持ってる事が前提のようにも見えてしまいます。しかし、そういうスペックの凄さを競うノートでは無い事は、この記事を読んで頂いた方にはお分かり頂けたと思います。
「凄い」ノートではなく、将来のノートのスタンダードを先取りした「普通」のノート。こういう、デジタル化を意識しないで使えるデジタル対応ノートが、どこの文具店でも普通に買えると、とてもいいなと思うのです。
【関連リンク】
・キングジム「スキャンノート」の紹介ページ
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