雑貨/生活雑貨・デザイン雑貨

マスキングテープ工場見学ツアー

今や日本のみならず、世界中に広がっているマスキングテープ旋風?!色や柄も種類豊富で、デザイナーとのコラボや限定品などもあるため、ついたくさん集めてしまう人も多いのでは?そんな楽しいテープを作っている工場を見学できるツアーが企画されました。ツアーの様子をレポートします。

江澤 香織

執筆者:江澤 香織

雑貨ガイド

今回の工場見学ツアー「mt factory tour」を企画したのは、岡山県倉敷にあるカモ井加工紙。文具、ラッピング用のマスキングテープ「mt」ではシェアNO.1の会社です。最近は、ヨーロッパ、アメリカ、アジアなどにも広まり、世界各国で愛用されているテープです。
元々、この会社がマスキングテープ「mt」を作ることになったきっかけは、3人の一般女性から「工場を見学したい」というオファーをもらったこと。それまでは、ホームセンターや画材屋等で販売している、いわゆるプロ向けの工業用テープしか作っていませんでした。彼女たちが工場を訪問し、「文具用としてこんなテープを作って欲しい!」という要望をもらったことがきっかけで、今の「mt」が誕生したのです。そんなルーツの源ともいえる今回の工場見学ツアー。HPで募集し、4000人もの人たちが訪問することになりました。(実際の応募数はそれを上回る人数だったとか。すごいことです)。

遠くからでも一目瞭然のしましまバス!

遠くからでも一目瞭然のしましまバス!

倉敷駅を出て、ツアーバスが待つ駐車場へ行くと・・・。
こんなシマシマのカラフルバスが停っていました!!これ、もちろん、全てマスキングテープを貼ったバスです。バスの内部も天井から床からぜーんぶ、テープで貼り巡らされておりました。完成まで2日間かかったそうです。おとぎの国へ行くバスみたいで、ウキウキしますね。しかもこのバスが停っているところは、カモ井加工紙の創業地だそうです。現在はカモ井パーキングという駐車場になっています。
さあ、このバスに乗って、いざ工場へ出発!!

いわゆる工場です。

いわゆる工場です。


30分くらいバスに乗ると工場に到着しました。
いやはや、普通の工場です。一見地味ですが、果たして中は・・・。
工場へ着くと、まずはマスキングテープがどうやってできるのか、工場のスタッフが説明してくれます。(ちなみにスタッフや先ほどのバスの運転手さん、みんなmt模様のワイシャツを着ていることにも注目!)。
実は、このテープのキモはなんといっても粘着のための”糊(のり)”。カモ井加工紙は、元々ハイトリ紙(ハエを採るためのテープみたいなもの)の会社だったのです。だから糊に関しては長年研究を続け、”貼って剥がす”ということがスムーズにできるよう、糊の開発に相当な努力を費やしています。工場では、糊が出来るまで、を実物を見ながら解説してくれます。糊がハチミツみたいだったり、ヨーグルトみたいだったりで、なんだか美味しそうです。でもここは撮影禁止のため、写真はありません。ごめんなさい。行った人だけのお楽しみです。できあがった糊を、和紙で出来た巨大な紙に塗って、大きなロールに巻き取り、それをテープサイズの小さなロールに移し変え、裁断してテープになるところまでを見学することができます。

コンクリとガラスのモダン建築。

コンクリとガラスのモダン建築。


工場見学のあとは、新しく出来た「第3攪拌工場」へ。
この建物は建築家TNAによるもので、元々は工場だったところを一部残しながら多目的スペースにリニューアルし、2階には史料展示室があります。創業当時の写真や、昔のハイトリ紙の広告など、なかなかレトロで可愛いくて、見ごたえありです。(そして創業時の社長の写真も発見。イケメンでびっくり!)。業務用エレベーターがあったところなどはそのまま穴を残し、工場らしい面影を感じさせるモダンな建物も必見です。

浅井ワールドにどっぷり入れます。

浅井ワールドにどっぷり入れます。


さらに奥には、アーティスト浅井祐介さん の作品展示コーナーが。
こちらも空いている工場のスペースを利用したギャラリーです。まるで筆で描いたようにも見えるんですが、近寄ってみると全部テープです。マスキングテープの半透明な特性を利用し、重ね合わせることによって、色の濃淡を表現しています。

まだ作り途中でした。メイキングタイムもあったり。

まだ作り途中でした。浅井さん本人のメイキングタイムもあったり。

建物1棟まるまる使った作品で、自分が絵の中に入り込んでしまったような錯覚を楽しめる、迫力ある展示です。

待望のショップコーナー

待望のショップコーナー


そしてお楽しみのショップコーナーもありました。こちらも工場だった場所の1棟を使ったスペース。新作や限定商品も販売されていました。伝統的な花柄が有名なイギリスの「Liberty」、注目のイタリア人デザイナー「Paora Navone」など、テープのデザインも世界規模に広がっています。

ショップにも楽しい演出がいっぱい

ショップにも楽しい演出がいっぱい


左上の写真は、テープをお買い物するとき用のカゴ。これ全部スタッフの手作りだそうです。スタッフ各自が自由にテープでデコレーションし、同じものがひとつとないお買い物カゴ!素敵なアイディアですね。右上は新作の「mt for kids」。子供の写真アルバムに使えるような、かわいい柄のものを作ったそうです。小ぶりのサイズで3点セットのパッケージ付きなので、お祝いなどのグリーティングにも良さそうです。そして右下は今回も登場のはかり売りコーナー。テープをその場でお好みの幅にカットしてくれる、ユニークなサービスです。

インテリア仕様のテープCASAの利用シーン

インテリア仕様のテープCASAの利用シーン


さて、注目の新作「mt CASA」の使用例紹介のコーナー。こちらはmtのインテリアとしての新たな展開です。貼って剥がせる壁紙って、そういえば今までなかった!飽きたら剥がして、また新たに貼り直せばいいんです。子供部屋を存分に飾ったり、パーティーのときだけの1日使用でもいい。粘着に関しての研究を長年続けてきたカモ井加工紙ですから、何度でも貼り直しできることは、このテープの一番の魅力です。壁にも家具にも、木、ステンレス、ガラスなど、あらゆる素材に貼ることができます。5、10、20cmのワイドテープ型の他に、直径5cmにカットした、ドット型(水玉になる)のシールもあります。

住んでみたくなる?しましまハウス

住んでみたくなる?しましまハウス


ショップコーナーを出たところには、こんなシマシマのミニハウスがありました。こちらもmt CASAでデコレーションしたのでしょうか。中はワークショップスペースになっており、今回は、いろんなテープを自由に貼って作品を作れるコーナーになっていました。

一日いても飽きないほど盛りだくさんだった「mt factory tour」。映画「チャーリーとチョコレート工場」にも負けないくらいのワクワク感がありました。あまり飾らず、エンタメ過ぎず、工場は工場そのまんまを見せてしまっているところが誠実で良いと思います。mtがこれだけ多くの人たちに愛されている意味が分かったような気がしました。工場見学は5月27日で終了しましたが、せっかく良いスペースもできたので、今後もこういったオープンな企画を検討しているとのこと。ぜひ、またの開催を期待しています!!

mt masking tapeのページ
http://www.masking-tape.jp/


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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