100万円以上自由なお金がある人は投資にもチャレンジを
半年分の生活費と100万円のほかに、毎月一定のお金を貯めることができる場合には、「毎月貯めるお金の一部でリスク商品に投資をして、お金を増やすことにチャレンジを」(藤川さん)することができます。毎月一定額を貯められる人は、投信積立でリスクを抑えながらお金を増やしていこう。
「100万円を貯めた途端、いきなりリスクの高い金融商品に手を出したあげくに損をして、100万円をパーにしてしまう人もいます。そんなことにならないよう、虎の子の100万円は安全性の高い商品で運用し、毎月貯めるお金の一部をリスク性商品に投資しながら、リスクに慣れるとともに、投資や経済を勉強するといいでしょう」(同)
この場合、100万円は、ネット銀行の定期預金や個人向け国債といった元本確保型の商品や、個人向け社債などの比較的安全性の高い商品で運用します。
一方、毎月貯めるお金については、「たとえば半分を貯金し、半分を投信積立にあてるなど、貯めることと増やすことを並行して行う」(同)と言います。
投信積立で一定の金額を積立。リスクを押さえて投資を
投信積立は、毎月一定の金額ずつ投資信託を積み立てていく投資方法です。月々1000円など少ない金額から始められるので、気軽に投資を始められるメリットがあります。毎月同じ金額ずつ購入するので、投信1口あたりの価格を表す基準価額が安い時には多く、反対に高い時には少なく買うことができ、平均購入単価を安く抑える効果も期待できます。さらに、毎月決まった日に自動的に購入するため、買うタイミングに悩まずにすむうえ、投資する時期を分散させることで一度に全額購入した場合に比べてリスクも軽減されるのです。
「投信積立は、日本株の投信、外国株の投信、外国債券の投信など、投資対象の異なる2~3つの投信に分散投資して、リスクを軽減します。とはいえ、中長期的にじっくり投資することを考えれば、今後の成長が期待できる投資対象に集中的に投資することもひとつの方法です。たとえば、外国株なかでもBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の株に投資するものや、海外の不動産投信に分散投資するグローバルリートファンド、資源やエネルギー関連の企業の株式に投資するものを組み合わせるのも面白いかもしれませんよ」(同)
次のページでは、運用資金がもう少し多い場合の運用方法を解説します。
取材・文/大山弘子 監修/深野康彦(ファイナンシャル・プランナー)、藤川 太(ファイナンシャル・プランナー)
イラスト/花くまゆうさく