緋色の研究(a study in scarlet)
シャーロック・ホームズという名前と、それが名探偵なんだということは知っていても、それ以外はよくわからないという人は少なくないと思います。私もそうです。ちょっと知識を入れておこうと、たまたま手に取ったのがこれでした。ホームズとワトソンの出会いから描かれている、ホームズの一番初めの話です。
ワトソンがルームシェア相手を探して知り合いから教えられたのが、奇人変人ホームズ。自己紹介もほとんどしていないうちから、ホームズがワトソンの過去を言い当ててしまいます。そんなところ見て推理するんだ!! とワトソンも読者も関心してしまいます。
まぁそんなこんなで事件が発生し、解決へと導くホームズの推理の鮮やかさが堪能できます。基本的な人間関係を理解した上で次の作品を読めば、楽しみも推理だけではないでしょう。入門編としてはやはりこれがおすすめです。
私は今のところワトソン博士が一番好きです。登場人物の中で一番常識人ですから、共感がもてます。
ちなみに、洋書で「英語の教材」として使うのもなかなかいいと思います。日本語の単行本とつき合わせて読み進めることもできますし。
ただ、化学マニアの探偵ホームズと外科医のワトソンなので、学校の教科書には絶対でないようなコトバもちらほら出てきます(本自体の英語のレベルは低くはないです)。辞書を引きつつ、ペーパーバッグを1ページ読むのに1時間もかかっている私です(泣)。でもやはりストーリーが面白いので、読んでやろうという気になりやすいです。
英語で読み終わったら、“A study in scarlet”という原題が、「緋色の研究」と訳されているのが本当に正しいかどうか、考えてみるのも面白いですよ。