日本のハイテク株は外国勢に押され気味
近年、韓国や台湾といった外国企業の躍進ぶりは目覚ましく、日本のハイテク企業の業績に与える影響は小さくありません。たとえば、今年2月には半導体企業の一つであるエルピーダが経営破綻に陥った他、液晶ディスプレイ等の不調で赤字転落となったシャープ(6753)、巨額の赤字となったソニー(6758)等、多くの日本を代表する企業が経営悪化を余儀なくされています。
ハイテク株が日経平均株価の値動きに与える影響は小さくないですから、このような状況を見ると日本株への投資を躊躇していまう投資家も多いかもしれません。そこで、日本のみならず世界のハイテク株の値動きを考える際にぜひとも参考にしてほしい2つの指標とその考え方をご紹介します。
ナスダック総合指数とは
まず1つ目が「ナスダック(NASDAQ)総合指数」です。ナスダック総合指数とは、ナスダックで取引されているすべての銘柄(約5,500銘柄)を時価総額加重平均で算出した指数で、NYダウ同様、アメリカの代表的な株価指数の一つです。たとえば、デルやインテル、マイクロソフト等、ハイテク株やインターネット関連株の占める割合が高いため、その業績動向を反映しやすいと言われています。実際にチャートを見てみましょう。Yahoo!ファイナンスの「世界の主要株価指数」の一覧で、ナスダック総合のチャートを見ることができます。
日経平均株価と比較する
では、日経平均株価のチャートも表示してみましょう。ナスダック総合と同じ期間のチャートです。それぞれに丸印をつけましたが、ナスダック総合と見比べてみると、ナスダック総合の底打ちに少し遅れて日経平均株価が底打ちしていることがわかりますね。
SOX指数とは
そして、ナスダック総合と並んで参考にしてほしい指数が「SOX指数」です。SOX指数とは、半導体メーカーや半導体製造装置メーカー等、半導体の設計や流通、製造、販売を手掛けている企業(たとえばアプライドマテリアルズやインテル等)で構成される株価指数のことです。フィラデルフィア半導体株指数とも言います。NYダウやナスダック総合指数と共に、アメリカを代表する株価指数の一つです。半導体関連企業で株価指数が構成されていることもあって、日本の半導体関連企業はもちろん、ハイテク値嵩株の影響を受けやすい日経平均株価や電気機器セクター等も、SOX指数の影響を受けやすいと言えます。
では、SOX指数のチャートを見てみましょう。ナスダック総合と日経平均株価とほぼ同じ期間です。
ナスダック総合や日経平均株価と同じような株価動向であることがわかりますね。
ナスダック総合とSOX指数を日本株に活かすには
同じような2つの株価指数ですが、どうやって使い分けたらよいのでしょうか?現状では、日経平均株価に似ているチャートはSOX指数だと考えられます。なぜなら、チャートを見てわかるのですが、ナスダック総合指数は昨年末以降、昨年度の高値を大幅に超えて上昇しています。一方、SOX指数と日経平均株価は昨年度の高値に並ぶ程度の値上がりだからです。
ナスダック総合指数はハイテク株が多いとは言え、その他の株も指数に入っていますが、SOX指数は半導体関連株の指数です。現状では、日経平均株価はハイテク値がさ株の影響を受けやすいことから、SOX指数と似たチャート形状になっているのかもしれません。
どちらもハイテク株の指数ではありますが、その値動きに差があることがわかります。ですから、その時々のファンダメンタルズに応じて、株価の予測に使う指数も変化させていくことが大事になるでしょう。
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