LTEサービスの本格化を背景に株価を伸ばしてきたアンリツ
スマートフォン関連銘柄のアンリツ(6754)は当コラムで2回紹介させていただいた銘柄です。2010年9月の時は中国での3Gサービス、日米欧でのLTE(3.9G)サービスに向けた動きの活発化を注目点に挙げました。また、ファイナンスで株価が調整(推奨当時の株価は493円)しているので絶好の買いチャンスになるかもしれないとお伝えしました。次の2011年12月の推奨時にはLTE(3.9G)サービスが日米欧で本格化し、中国もLTEが進展していく点を推奨理由に挙げ844円で推奨しました。最初の推奨から1年半が経過しましたが日経平均がほぼ横ばいで推移する中、アンリツは当コラムで紹介してから2.18倍の上昇となっております。一方、日本を代表する下記の主力株は軒並み大幅下落です。
アンリツは2.1倍、ソニーは0.6倍。株価の明暗を分けた要因は?
ここ数年顕著に伸びているのが日本でも話題沸騰のスマートフォン。世界中でスマートフォンブームが起きており、サムスンやアップルをはじめノキア、LG、ZTE、レノボ、DELLなどパソコンメーカーまでもスマートフォンの開発や製造に力を入れています。このスマートフォンがスムーズにどこでもつながるようにするために様々な局面で活用されるのが電子計測器です。ネットワーク構築時、スマートフォンの開発時、大量生産時、様々な局面で計測器が必要になります。従来型の音声通信が主体の携帯電話に比べ、スマートフォンの場合はインターネットへの接続テストやデータ通信のやり取りなど検査項目も格段に増えます。店頭に出したスマートフォンが、不具合なく操作できるようにテストを繰り返し、検査を行う役割を担うのがアンリツが製造している計測器なのです。
このような背景があるからこそ、スマートフォンの普及拡大と共にアンリツの業績が拡大し、株価が2.18倍の上昇となったのです。
一方、ソニーや新日鉄、野村HDなどは欧州の財政問題による世界景気の停滞や、震災による日本経済低迷、円高など様々な悪材料が重なったため大きく下落しました。
100万円投資していれば、アンリツは218万円、ソニーは64万円と3.4倍の格差です。短期的には大差ないように見えても、1年を通してみるとはっきりとした差が出てくるのです。
>>アンリツのさらなる株価上昇は見込めるか?