ETF

下落で儲かるVIX指数連動ETFの活用法と今後の動き(2ページ目)

相場が下落すると投資家は不安になります。投資家心理を示す数値として利用されているのがVIX指数です。このVIX指数に連動を目指したETFが3月に上場来安値をつけました。VIX指数連動ETFはどのように投資に活用したらよいのでしょうか? 投資の基本から注意点、そして今後の行方を解説しました。

横山 利香

執筆者:横山 利香

投資をはじめてみようガイド

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チャートで逆相関関係を見てみよう

まずは、国際のETF VIX指数(1552)のチャートを見てみましょう。丸印が年初来安値です。

チャート

国際のETF VIX短期先物指数チャート。Yahoo!ファイナンスより。拡大画像あり


次に、S&P500のチャートを見てみましょう。

チャート

S&P500チャート。Yahoo!ファイナンスより。拡大画像あり


2つのチャートを見比べると、確かに逆相関の関係があることがわかりますね。「保有する株式の損失をカバーしてくれるなんて、なんて素敵な商品」と思った投資家も多いかもしれません。

ただし、注意してほしいことがあります。それは、国際のETF VIX指数(1552)はS&P指数の値動きを元に算出していることから、必ずしも日本市場の急落のリスクヘッジになるというわけではないという点です。

S&P500と、国際のETF VIX指数の今後は?

ちなみに、S&P500の状況としては、アメリカの大統領選挙を控えた2012年に入ってからは上昇基調にあります。丸印をつけましたが、2011年の高値もすでに超えており、相場の状況としては強気であると判断することができます。

仮に、S&P500が中長期的に強気の状況が続くのであれば、国際のETF VIX指数(1552)は中長期的に値下がりが続く可能性があります。とは言え、短期的に上昇と下落を繰り返すのが相場ですから、一方に動き続けるというわけではありません。国際のETF VIX指数(1552)も短期的には、上昇と下落を繰り返すと考えられるでしょう。

国際のETF VIX指数(1552)は、リーマン・ショックや欧州の債務危機問題等、不測の金融危機に見舞われた場合には高パフォーマンスを得られる可能性が高いと言えます。しかし、不測の事態を予測することは困難と言わざるを得ません。商品の性質上、時間の経過とともに安値を更新する可能性も否定できません。中長期でリスクに備えるというよりも、短期でリスクに備える商品だと言えるのではないでしょうか。

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