ACLとJ1リーグの掛け持ちで過密日程が強いられる4チーム

タイトなスケジュールを言い訳にしないタフネスさが世界基準のプレーヤーに求められるものの、やはり厳しい日程である

タイトなスケジュールを言い訳にしないタフネスさが世界基準のプレーヤーに求められるものの、やはり厳しい日程である

アジアナンバー1のクラブを決めるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の第3節が、4月3日~4日に行なわれる。

日本からは柏レイソル、名古屋グランパス、ガンバ大阪、FC東京の4チームが出場しているが、J1リーグとACLの掛け持ちはいつもながら難しい。長距離移動と過密日程が、今年もまた出場チームを苦しめている。

ACLの出場クラブの嘆きが聞こえると、決まって持ち出されるのがヨーロッパとの比較論である。

曰く、ヨーロッパのビッグクラブはUEFAチャンピオンズリーグと国内リーグを並行して戦っており、リーグによってはカップ戦も同時期に消化する。タイトなスケジュールを言い訳にしないタフネスさが、国際基準のプレーヤーには求められるのだ、と。

そのとおりではある。だが、UEFAチャンピオンズリーグは、ごく一部の例外を除けばACLのような長距離移動を必要としない。時差もないか、ごくわずかである。東京から九州や北海道へ遠征するような感覚に近い。

チャーター機を使うことで、移動に伴う時間のロスや肉体的な負担を軽減しているクラブもある。ACLとの単純な比較は、そもそも無理があるだろう。

アジアの舞台で戦う4チームは、Jリーグの代表である。彼らが好成績を残すことで、Jリーグのステイタスは高まる。アジアの企業がスポンサーに名乗りを上げたり、Jリーグの放映を検討する海外のテレビ局が出てきたりするかもしれない。

台湾の電子機器企業が、日本の電気機器大手シャープの大株主になる時代である。成長著しいアジア市場のポテンシャルは無視できないし、閉塞感が拭えない国内市場だけでは限界がある。Jリーグというコンテンツの販路をアジアへ拡げる意味でも、ACLで成果を上げることはリーグ全体の利益へつながる可能性を秘める。

だからこそ、出場クラブを後方支援していくべきだ。臨機応変な対応を求めたい。

日本代表の本田圭佑が所属するCSKAモスクワは、3月第2週のリーグ戦を金曜日に行なった。本来は日曜日に開催されるゲームが前倒しになったのは、翌週水曜日にチャンピオンズリーグのレアル・マドリード戦が控えていたからである。残念ながら試合には敗れてしまったが、リーグとしての柔軟な対応は評価されるべきだろう。

フランスのリーグアンも、同じような対処をしている。4月3日にチャンピオンズリーグ準々決勝第2戦を控えるマルセイユは、3月31日のリーグ戦が4月11日に延期された。これによって、マルセイユはチャンピオンズリーグに集中できる。


大局的な視野に立って、リーグゲームの延期の検討も

ひるがえってACLである。

グループリーグが佳境を迎えるのは、5月第1週と第3週の5、6節だろう。Jリーグと日程が重なる第1週は、ACL出場クラブのリーグ戦延期がすでに決まっている。

しかし、6節にグループリーク突破をかけるクラブが出てきたら、直前の5月12日のゲームも延期していいのではないか。

たとえば柏は、15日にアウェイゲームを控える。開催地はソウルなので、移動時間も短く時差もない。とはいえ、中2日である。コンディション的にはかなりハードだ。蓄積疲労もある。ベスト16進出へ、リーグとしてバックアップするべきだ。

スケジュールの変更に、莫大な労力が必要なのは分かっている。新たな日程を確保し、テレビ放映を調整し、さらに細かな作業を積み上げなければならない。主催チームの関係者は、睡眠時間をごっそり削り取られる。

平日のナイターで代替開催することになった場合、観客動員への影響が懸念される。ナイター照明の使用などで経費がかさむうえに、入場料収入が減少したら、主催チームは大変な痛みを負うことになってしまう。

クリアしなければならない課題は多い。前例もない。それでも、目の前の小さな利益を優先するのではなく、大局的な視野で痛みを分け合い、出場クラブの、リーグにとっての利益を探りたい。大切なのはどこのクラブが勝つのかではなく、日本のクラブが勝つことなのである。




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