2011年の業績は後半失速も全体としては堅調
平安保険の2011年の中間決算は保険料収入が前年同期比38.3%増の1298億元、純利益が33%増の127億6000億元となっています。これは同業他社よりも高い成長率ですが、業界全体を見ると生命保険はスローダウンし、損害保険は高い成長率を維持していると言えます。この理由は中国の生命保険需要が縮小したと言うよりは、政府の政策によるところが大きいものです。というのも、政府は2010年末から銀行による生命保険の販売に関する規制を強化したため、銀行による生命保険の販売金額が減少したのが主要因です。一方、損害保険の主要分野は自動車保険であるために、自動車の台数の増え方がどうなるかによって保険需要が決まります。2011年は政府の自動車購入補助金政策が続いていたこともあり、好調だったと言えるでしょう。
もっとも、2011年7-9月期の平安保険の業績は保険料収入は27%増の396億3000万元と好調だったのですが、純利益は44%減の17億6000万元と増収減益になりました。保険企業は保険で集めたお金を株式市場や債券市場で運用するわけですが、2011年後半は相場が大きく落ち込んだため、投資収益が大幅に減少したことが原因です。
しかし、2012年は債券と株式市場が回復する見込みであり、投資収益が大幅に改善すると予測されますし、何より保険料収入は増え続けておりますので、むしろ下がったところはチャンスだと考えます。