ガソリン価格が高騰
ここ数カ月、ガソリン価格の急騰が続いています。石油情報センターの「一般小売価格(給油所ガソリン・軽油・灯油)」の週次調査によると、東京のレギュラーガソリンの平均価格は、3月12日に1リットル155.6円でした。2011年後半には1リットル130円前半でしたから、数ヶ月間で20円以上も高騰したことになります。たとえば、レギュラーガソリンを1回満タン(60リットル想定)にすると、1回の給油で1,200円程度の出費が増えたことになります。運転の頻度にもよりますが、車が移動手段となっている地域の家庭では1か月に数回は利用するでしょうから、生活費をじわじわと圧迫し始めているかもしれません。
参考:石油情報センター・価格情報
原因は原油価格の上昇
ガソリン価格の高騰には、イラン情勢の緊迫化によるNY原油(WTI原油先物)の価格が上昇していることが背景として挙げられます。チャートを見てみましょう。昨年10月には1バレル74ドル台だったNY原油は、2012年3月現在、1バレル100ドルを超す水準にまで上昇、30%以上も値上がりしています。チャートを見て分かる通り、ここ数カ月の間に、NY原油の価格が急上昇しています。ガソリン価格の高騰もうなずけますね。
参考:フジフューチャーズ・マーケット総合>価格・チャート・NY原油
円安進行も原因
しかし、ガソリン価格の上昇の要因はNY原油の上昇だけではありません。最近のドル円相場における円安の進行も、ガソリン価格に少なからず影響を及ぼしているでしょう。日本は原油を輸入に頼っています。ドル円相場では1ドル70円台後半から1ドル80円台前半まで円安が進行していますが、円安の進行は輸入する際のコスト増につながります。これは原油に限ったことではなく他の輸入されている原材料も同様です。
では、気になるNY原油の価格は、いくらまで上昇する可能性があるのでしょうか? 次のページで考えてみましょう。