膠原病・リウマチ/その他の膠原病・リウマチの病気

大動脈炎症候群の原因・症状・治療・予後(2ページ目)

大動脈炎症候群とは、名前の通り、大動脈が炎症を受けて、血管の内腔が狭くなり、つまりやすくなる病気です。別名、高安先生が発見されたので「高安病」とも呼ばれています。この大動脈炎症候群について説明します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド


大動脈炎症候群の治療

炎症を抑えるために、ステロイドが使われます。症状とCRPを見て、減量、中止していくことになります。減量が難しい場合は、免疫抑制薬を併用します。免疫抑制薬の効果は報告されていますが、保険診療になっていません。血管の炎症から生じる血栓を予防するために、血小板の機能を下げる抗血小板療法を行います。

つまってしまった血管を除いて、人工血管、他の血管で再建する外科療法がありますが、血管の炎症の場所がはっきりしていて、ステロイドなどで効果がない場合に行われ、大動脈炎症候群の約20%が外科療法となっています。

多くは、頚動脈の再建、腎動脈の再建、大動脈の再建、心臓への栄養血管である冠動脈の再建、大動脈の弁の再建になります。

大動脈炎症候群の予後

MRIなどの画像診断で早期に診断が可能になったことで、早期にステロイド治療を行うと、予後はよくなっていきます。腎動脈の狭窄や大動脈が狭くなることによる高血圧、大動脈弁が機能しなくなる大動脈弁閉鎖不全、それによる心不全、冠動脈の病変による虚血性心疾患と心筋梗塞、炎症のため動脈の壁が弱くなって血管が「こぶ」のように膨らんだ動脈瘤、その瘤が破裂してしまう動脈瘤破裂になると、生死に関わってきます。そのためにも早期に炎症を抑えることが大切です。

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