ヴァネッサ・パラディに学ぶ女力
ロマンティックコメディ、しかもフランス映画ゆえに、男が女に惹かれていくことに、さほどな理屈も説明もない。それでも、説得力があるのは、ジュリエットを演じているのが、フランスの至宝、ヴァネッサ・パラディだからだと。そう、恋愛コラム的に言えば、本作を観る上でのもうひとつのポイントは、ヴァネッサ・パラディに学ぶ女力。ヴァネッサは、10代の頃から歌手、女優、ロリータアイドルとしてフランスはもちろん、世界中の人気を集めてきた。一方、シャネルやミウ・ミウの広告塔としても起用されてきたアイコンでもある。
華々しい恋愛遍歴の辿り着いた先は?
セルジュゲンズブールや、レニー・クラヴィッツなど世界を代表する色男を魅了した後に、私生活では、世界屈指のモテ男、ジョニー・デップと結婚。それまで、究極のいい女を渡り歩いてきた、ジョニー・デップの港になるという“女力”を発揮した。現在、二児の母にして、もうすぐ39才という成熟の時を迎えながらも、その美しさは衰えず、むしろますます深みを感じさせて、スクリーンでも多くの人をときめかせている劇中では、そんなヴァネッサの素と、役柄の、気が強くも純粋なジュリエットが絶妙に溶けあって一体となって、何とも魅力的な女像が学べる。
なぜ、ヴァネッサ(=ジュリエット)は、理屈抜きで男を引きよせ、本気にさせるのだろう。その理由を分析してみると……