3G通信に課せられた使命
PS Vitaは、携帯ゲーム機として初めて3G通信に対応する。とは言っても全モデルで3G通信が可能になるわけではなく、3GモデルとWiFiモデルの併売という形を取る。
当然価格が異なり、3Gモデルは\29,980、Wifiモデルは\24,980となる。
3Gモデルは3G通信機能の他、GPSも搭載する。
GPSは位置情報を利用するゲーム「位置ゲー」には必須と言えるし、簡易ナビや撮影データに位置情報を付加したりと活用の幅は広い。
3GモデルのみにGPSが搭載されるというのは、実はソニー製ノートパソコンでは毎回のことである。
ソニーはWifi情報で現在位置を取得する「PlaceEngine」を積極的に採用しており、GPS無しでもある程度の位置情報サービスが利用できると予想される。
3G通信に課せられた使命は大きい。
まずは『モンスターハンターポータブル』のような協力・対戦プレイのできるゲームをどこでも遊べるようにすること。
WEBブラウザなど、スマートフォンで利用できるサービスを「取りこぼさないこと」。その為TwitterやSkype、Facebookにも対応予定とされる。
後はゲーム機で常時接続が可能になれば、というところだが。
不安が残るプリペイドプラン
3GモデルはNTTドコモの新しい時間制プラン「データ通信プリペイドプラン」に対応する。プリペイドを採用したことで、本体を購入してすぐにネットワークに接続できるのが魅力と言える。
しかし時間制というのは少々厳しい。
イメージとしては電池のようなものを想像するとわかりやすいが、ネットに接続した分だけ残り時間が減っていく、というものだ。
ユーザー側から明示的に「接続するぞ」という時だけしか接続しないため、定期的にサーバーとアクセスして情報を取ってくるようなプッシュタイプのサービスが始めにくい。
帯域も128kbpsと狭く、時間分を使用しきると2週間以内に再チャージをしないと契約が切れる(再契約には\2,100が必要)など、サービス内容は若干厳しいものだ。
当初はSIMロックありということで、常時接続はNTTドコモの定額プランしか選択肢はない。
SCEIにとって、ゲーム機の複数ラインアップというのは避けたいところだ。
初期のPS3で混乱を招いたように、ユーザーの選択肢が多いということは必ずしも良いことではない。
今回は3Gモデルの選択肢をあえて絞り、分かりやすさを優先したということだろう。