今回わかった情報を元に、PS Vitaの「正体」はどのようなものなのか考えてみよう。
PS VitaはPSPの後継ハードではない?
PS Vitaは、PlayStation Portable(以下PSP)の後継機種として12月17日に発売される、SCEI第二の携帯ゲーム機である。特徴は進化した映像能力、豊富な入力方法、そして3G通信に対応したことだ。
これらはすべてライバル機であるDS、3DSのみでなく、スマートフォンまでもを凌駕するための戦略的なスペックである。
さて、PS VitaはPSPの後継ではあるが、コンセプトは明確に異なる。
その際たる点は、ディスクドライブを搭載しないということだ。
PSPでは専用メディアとなるUMDが採用され、ソフトの提供もUMDで行われてきた。
PlayStationStoreによるオンライン購入にも対応しており、2009年11月にはUMDドライブを排除したPSP goという本体も発売された(が、すでに発売は終了している)。
UMDは容量、セキュリティー上は優れていたが、携帯ゲーム機にとってディスクドライブの搭載は重荷と言える。消費電力の面でも大きさの面でも、制約の大きい携帯ゲーム機には向いていない。
そこで、PS Vitaは独自規格のカードメディアを採用した。
フラッシュメモリの低価格・大容量化によりディスクメディアに頼らなくてもすむようになったとも言えるだろう。
また、カード内にダウンロードコンテンツ、セーブデータを記録できる仕様になっているのもディスクには真似できない点だ。
PSPで可能だった「リモートプレイ」「torneとの連携」は対応するようだが、取り立てて強調する点ではない。ユーザーから見れば「できて当然」だからだ。
また、PSP版のソフトはダウンロード版に限り遊ぶことができる。この際、タイトルによっては右スティックが使用できる。
また、PS VitaとPSPのアドホックモードも対応する。
特筆すべきはもう一点。
PSPでは使用できたメモリースティックは今回採用されず、独自規格のメモリーカードが採用されている。
PS Vita内には記録できるスペースが実装されていないため、カード内に記録スペースが用意されていない場合、メモリカードを購入しなければならない。
その他音楽・映像ファイルなどもこの専用メモリが必須となる。
残念ながら、マルチメディアファイルの取り扱いに関しては使い勝手が悪くなるのは避けられないだろう。
どうもPS VitaはPSPの「ただの後継機」というわけでもなさそうだ。
さて、次ページ以降から映像能力、豊富な入力方法、3G通信対応の「正体」についても考えてみよう。