がん治療は病院入院で受けるのが当たり前?

がん治療の場所が変わる

がんについてのイメージは、大きくかわりつつあります。診断も治療も 変わってきているということは、それらを受ける場所も変わっているということです。

「癌」。20年ほど前までは、この言葉は口に出すのもためらわれるような感じもありました。

命に関わる治すのが難しい病気、まれで恐ろしい病気、というイメージが強かったのかも知れません。しかし、現在では状況は大きく変わっています。

がん自体、国民の2人に1人が経験するほどよくある病気になったこともあるかもしれませんし、何よりも早期発見された胃がんは、胃カメラによる手術で完全切除し、再発もほとんどないなど、早期発見と治療の技術もすばらしく進んだ時代だといえます。

がんに対するイメージが変わりつつある中で、最も変化しているのは、がん治療をうける場所かも知れません。「がんの治療は、入院してしっかり行うもの」というイメージが、今、変わりつつあります。
 

がん治療に大切な検査・診断も外来でできる時代に

胃がんの内視鏡手術

胃カメラでは、診断・検査のみならず、根治的な治療も可能に なってきました。短期の入院でがんの根治的治療が可能な時代になっています。

がん治療を正しく行うためには、がんについて正確に診断することが必要です。以下の3つの診断をしっかり行う必要があります。

  1. 局在診断:癌はどこにどんな大きさでいくつあるのか?
  2. 質的診断:癌はどんな細胞でできているのか?
  3. 病期診断:癌はどの程度の進行度になっているのか?

これらを診断するには、診察、血液検査、レントゲン検査に始まって、がんの種類や状態に応じてCTやMRIなどの詳しい検査が必要です。

また、手術が必要ということになると、全身麻酔をかけるために心臓や肺の機能なども詳しく調べる必要があります。

これらの診断や治療に関わる諸検査は、以前は、入院して行うことも多かったですが、最近では外来でできる検査は可能な限り外来で行うことになっています。また、入院が必要な場合にも検査をまとめて受けたあと、そのまま手術に突入するということはほとんどありません。短期の検査入院だけということがほとんどです。

がん治療

また、がんの治療法も変化しつつあります。、現在の保険治療の中では、主に以下の3つの方法で治療が行われますが、いずれも入院から外来で行う流れになっています。

  1. 手術:従来の手術に加え、内視鏡を用いた手術も広がっています。
  2. 抗がん剤治療:点滴に加え、内服薬を用いた治療も増えています。
  3. 放射線治療:放射線治療科に通院することで可能になっています。

また、がん治療の中では、やはり、再発・再治療、そして残念ながら進行してしまった場合には、看取りというものも考えるべき時期が来ることがあります。一昔前のイメージでは、最期は病院で迎えるパターンが圧倒的に多く、現在も大多数のケースでそのようになっています。

しかし、がんの再発治療やいわゆる緩和ケアについては、様々な薬や治療法の発展もあり、ほとんどが在宅で可能になってきました。すなわち、がんの治療、そして長期療養から最期の看取りに至るまで、病院ではなく外来および在宅で行うことが可能になりつつある時代と言えるでしょう。

このように最近の在宅医療、在宅療養の流れは、がんの診断・治療においても大きな変化をもたらしつつあります。このテーマについては、また、継続してお話していきたいと思います。
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