リスクあるも、より高いリターンが期待できるGDXJ
一方中小型の産金株を多数集めたGDXJの保有銘柄は、殆どが聞いたこともない無名の銘柄ばかりです。ただし一つ一つの保有比率が1~2%前後のものが多く、細かく分散され、リスクは低減されています。ファンドの規模としてはGDXの3割程度で約20億ドルとなりますが、一般的な日本のETFよりも遥かに大きなものです。こちらも6割以上がカナダ籍の企業となるほか、オーストラリア、中国、南ア、英国の企業が混ざっています。これらのうち少なくない企業が赤字でもあり、業績は不安定です。しかし一つ一つは不安定でも、これだけ数多くに分散していればリスクは互いに打ち消しあって少なくなり、全体としてはある程度の安定感を作れます。
GDXJの構成銘柄のどれか一つに思い切って投資することはかなりリスクが高く、やめておくのが無難だと思いますが、多数集めたGDXJに投資することはリスクに見合った高いリターンを、より安定感を持って得ることができます(とはいってもリスクはGDXより高いですが)。また中小型株といっても日本株の感覚でいう中小型(100億円程度からそれ以下)ではなく、日本最大の産金株である住友金属鉱山の半分程度の規模の会社が多くなっており、1000億~5000億円程度の時価総額銘柄が中心となります。このGDXJは2009年11月に送れてデビューしたETFですが、これまでGDXよりも高いリターンを上げております。
金価格の上昇に注目するなら、是非とも抑えておきたいETFです。
参考:グローバルグロースレポート