富士山駅、誕生
JR中央本線・大月駅から河口湖駅まで延びる富士急行線。終点・河口湖駅の二つ手前にある富士吉田駅が、2011年7月1日から富士山駅と改名された。同時に駅ビルや駅構内がリフレッシュされ面目を一新、富士山に一番近い鉄道駅として存在感を増すこととなった。富士山駅の玄関に建つ大鳥居は新しいシンボル
7月1日には、改名を記念するセレモニーが行われた。駅施設のリニューアルをデザインした水戸岡鋭治氏、アルピニストの野口健氏も招かれ、駅前でテープカットと駅名看板の除幕式が挙行された。駅前でひときわ目につくのが、駅ビル入口にできた朱塗りの大鳥居だ。これは、富士山の吉田口登山道入口にあたる北口本宮富士浅間神社の鳥居に倣ったもので、富士山の玄関口にふさわしい新たなシンボルとして作られた。高さは約7m。富士山駅で降りた登山客は、この大鳥居をくぐって、さらに本物の大鳥居を目指すこととなる。
富士山を目指す登山客とは逆に駅に入ってみよう。富士山駅と大書された看板の下は改札口へ向かうコンコースとなっている。左右にお店があるが、黒塀を模した居酒屋も駅構内のデザインの一環となっているようだ。
改札口付近もしゃれた雰囲気
改札口右手にあるガラス張りの待合室は、水戸岡氏がデザインした車両内部を彷彿とさせ、電車を待つのが楽しくなってくる。ベンチや柱は木の素材を強調したもので寛ぎを感じさせるに充分だ。改札口左の「ふじやま屋」という売店も、のれんやお店のロゴが水戸岡風だ。洒落ていて、ちょっとのぞいてみたくなる。改札口は、都会風の自動改札ではなく係員がいる有人改札なのは懐かしい。それでいて天井から吊るされた電車発車案内板は、最新式の電光掲示だ。大月方面の電車は、大月での中央線の乗り継ぎ案内も紹介されていて親切である。
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