日本人の心にも響く、愛くるしいレトロモダンカー
2008年に登場した2世代目。1.2リッターエンジンを搭載したポップ(195万円)、スポーツ(208万円)、ラウンジ(225万円)、1.4リッターのラウンジ(250万円)、最新のツインエアエンジンを搭載したポップ(215万円)とラウンジ(245万円)を用意する。ボディサイズは全長3545mm×全幅1625mm×全高1515mm
ピラーはそのままにソフトトップが開くスライディングルーフ式を採用したオープンモデルが500C。1.2ポップ(239万円)と1.4ラウンジ(289万円)に加え、ツインエアエンジン搭載モデル(ツインエア ラウンジ 279万円)も用意された
いわゆる、スタイルを中心として雰囲気を現代に再現した、レトロモダンカー。VWビートルやミニ、フォードマスタングなどと、考え方は同じである。新しい500のベースはパンダだ。
よって、昔のチンクェチェントとは、サイズもパッケージもまるで違う。イタリア人の日常を歓びに変える、というコンセプトだけが変わらない。そのことと愛くるしい(という表現以外思いつかない)が、日本人の心にも響くのだろう。昔を知らなくてもいい、という意味では、ビートルやミニとよく似ている。
吸気バルブで直接空気量を調節する技術(マルチエアシステム)などが取り入れられた875ccの直列2気筒ターボエンジン、ツインエア。アイドリングストップ機構も備え10・15モードは21.8km/l(ポップ)とされた
シリンダーが2つしかないけれども、そこに潜む最新技術はかなりのもの。シーンと静まりかえった真空パックのような国産車に慣れた人にはきっとツライだろう。けれども、その心地よい振動やノイズはいかにも機械を操っているという感覚を与えてくれるし、大げさかも知れないが、生きているんだという気分にもなってくる。まるで、公園の遊具のようなクルマである。
ボディタイプは2種類。より古典に寄り添うのであれば、キャンバストップのCを。3ペダルのMTも楽しい。
この500をベースにしたスポーティモデル、500アバルトは、別個の独立したブランドとして商品展開されている。