1カ月の医療費負担上限額は、月収28万~50万円の人で8万100円+α
入院すると、病院窓口で、かかった医療費の3割(小学校入学後~70歳未満)を自己負担します。入院が長引いたりして医療費がたくさんかかったときは、公的健康保険の「高額療養費制度」というものが適用されて、さらに自己負担が軽くなります。高額療養費制度とは、1カ月の自己負担に限度額があり、それを超えた分は払わなくていい(つまり、公的健康保険が払ってくれる)しくみのこと。70歳未満の人の限度額は所得区分で5つに分けられていて、一般の人(月収28万~50万円)は下記の計算式で計算した金額がマックスの負担になります。
8万100円+(医療費の総額-26万7000円)×1%
高額療養費制度でいう1カ月とは、30日とか31日という意味ではなく、1日~末日までのことを指します。従って、入院が月をまたぐと、入院日~末日、翌月1日~退院日のそれぞれで、適用になるかが判断されるということ。これにより、同じ入院日数でも、入院が月をまたいだかまたがなかったかで自己負担額が違ってくるのです。
入院はできるだけ月初にしてもらおう
具体例を見てみましょう。30日間入院し医療費の総額が100万円かかった場合の自己負担限度額(月収28万~50万円の人)について、入院が月をまたがなかったケースと、月をまたいだケースとで比較してみましょう。
■例1:月をまたがなかったケース(1日に入院して30日に退院)
8万100円+(100万円-26万7000円)×1%=8万7430円…自己負担額
■例2:月をまたいだケース(16日に入院して翌月15日に退院。医療費総額は入院月は70万円・退院月は30万円と仮定)
・入院月 8万100円+(70万円-26万7000円)×1%=84,430円
・退院月 8万100円+(30万円-26万7000円)×1%=80,430円
合計 16万4860円…自己負担額
このように同じ入院日数でも、入院のしかたで自己負担額が変わるのです。ですから、入院は月をまたがないほうがよく(かなり長い入院は別)、そのためには、月初の入院が好ましいということ。もし、計画的入院で入院日の希望をきいてもらえるなら、月初にしてもらうといいでしょう。ただし、生死に関わる緊急入院には、この方法は絶対に使わないでくださいね。
なお、入院時の食事代や雑費など、そもそもが自己負担になる費用はいつ入院しても負担額は変わりません。
【関連リンク】
高額療養費(社会保険庁)