旧型客車もリフレッシュ
C61形の復活に合わせて、高崎車両センター配置の旧型客車も整備された。蒸気機関車が牽引する客車は、往年の茶塗りの旧型客車が雰囲気的には蒸気機関車に一番マッチすることは言うまでもない。「汽車旅」のムードは旧型客車に乗ることによってこそ味わえる。しかし、現実には、見た目には電車だか客車だか分からないような雰囲気の12系客車が多用されてきた。それは、旧型客車は、ドアが手動で開放されて走行することも多く、乗客がドアから身を乗り出すなどして転落の危険性も伴い、安全上問題があったからである。さらにはトイレも垂れ流しなので衛生上問題があり、使用不可にせざるを得なかった。今回のC61形復活に合わせて、こうした欠陥を改造によって是正し、雰囲気ある「汽車旅」が味わえるよう旧型客車をリフレッシュしたのである。
ドアは半自動とし、遠隔操作によって施錠できるようになった。トイレもタンクを取り付け、和式を洋式に改めた。こうして21世紀の汽車旅が可能になったのである。但し、冷房取り付けは、外見上や内装の大幅な変更を伴うためからか見送られた。そのかわり、冬季は蒸気暖房が可能になるよう復元され、暖かい汽車旅が楽しめそうだ。もっとも、冷暖房完備の12系客車の使用がなくなるわけではなく、列車や線区によって、使い分けることになりそうだ。