間口いっぱいのキッチンカウンター
玄関の引戸を開けるとコンクリートのタタキ。一段上がって左側に回廊が続きます。右側は真ん中にキャットツリーが立つ4匹の愛猫のための部屋です。実はこのキャットツリーは、1階の日当りの邪魔をしていたみかんの木の再利用でした。そして今回最もドラスティックに変わったのはキッチンです。勝手口の壁でダイニングと隔てられ1坪しかなかったところを、壁を取り払いワンルームにしてJパネルで間口いっぱいにカウンターを付けたのです。その長さなんと5.5m。収納も増えて奥様の悩みはこれで解決されました。
昔ながらの間取りと老朽化による不具合に悩まされ、有効活用できる広いスペースがありながら手つかずのまま、ずっと我慢の日々を送っていた一家にとって「当たり前の生活ができること」が一番の望みでした。今回の関さんによる思い切ったリノベーションによって、大好きな昭和の木造住宅の記憶を楽しみつつ、現代のライフスタイルに合った快適な生活の舞台が見事に実現したのです。
◆建築データと建築家プロフィール