そこで今回は予算が厳しくても上手にリフォームされた施主のお話を元に、低予算リフォームのテクニックをご紹介いたします。
贅沢な設備は不要。質実剛健なリフォームがしたい。
築31年のマンションをリフォームしたいと考えていたAさん(60代男性)。特に最先端の設備を導入しなくてもいいけど、現在の古びたキッチンと洗面台を何とかしたいと考えていました。他にもあちこち直したいと考えていましたが、予算の見当がつきません。そこで知り合いが依頼したリフォーム業者を紹介してもらい、概算の見積りをお願いすることにしました。出してもらった見積りでは、現在の壁付きキッチンと洗面台を新しいものに取り替え、配管も新たに引き直す内容で、周辺の床や壁の補修を含めると約120万円になることが分かりました。詳しく業者に尋ねてみると、キッチンや化粧台は一般的に人気のあるグレードでプランニングしてくれたとのこと。
「そこまでの設備は今の私たち家族には贅沢過ぎます。収納がしっかりしていれば設備品のグレードにはこだわりません。もっと予算を抑える方法はありませんか?」
120万→67万:安価な設備でもカラーを揃えて一体感を演出
Aさんが採用されたキッチンユニットには豪華なオプションこそありませんでしたが、シンプルで使いやすいのが一番の魅力だったようです。(画像提供:マイセット株式会社)
こうして最終的に業者から提示された見積り金額は67万円となりました。当初概算金額の約半額です。また、同じカラーで洗面化粧台もコーディネイトできたおかげで、今回リフォームした箇所に一体感が産まれ、値段のわりに安っぽく見えないのが不思議なくらい仕上がりは上々でした。
ここまで価格を抑えることができたのは、機能や仕様などに条件をつけず、むしろ最低限必要な設備に機種を絞ったからだと言えます。また、自分のリフォームイメージや要望についてはっきりと業者に伝えたのもよかったのでしょう。この後、Aさんは外壁の塗装を計画することになるのですが、キッチンなどのリフォーム費用を抑えられた分、耐久性のある塗料を選定することも可能になり、低予算ながらも充実したリフォームプランを作ることに成功したようです。
次のページでは、ご両親と同居することになって間取り変更も考えていたBさんが、発想の転換でコストダウンに成功した事例をご紹介します。