中国最大手のワイン企業!
中国最大手のワイン企業に注目!
張裕の強みはマーケティングの巧さにあります。たとえば、ミドルクラス向けに張裕オリジナルの国産ブランド「解百納」という名の中級ワインがあります。「解百納」は同社のワインの中で30%以上の販売を占めるコア商品です。「解百納」は中国語でカベルネ種のブドウを意味する言葉であり、欧米ではこれがブランド名になるというのはおかしなことです。カベルネ種は最もポピュラーなブドウ品種なので、一般名詞として多くのワインにも記載されています。中国ではこの最も人気のあるブドウ品種自体がそのまま張裕のブランド名になっています。したがって他社は例え本物のカベルネ種でワインを作っても、商標上中国では「解百納」と表示できません。また、その一方では富裕層向けに海外のワイナリーと提携して高級品ブランドを育てることに成功しています。
そして、2011年末時点で約3000人の販売員と4000以上の卸しという中国のワインメーカーの中で最も大きな販売網を確立しており、これが同社の大きな武器になっています。
まだまだ成長余力がある中国ワイン市場
2011年の中国ワインメーカーの売上合計は370億元であり、過去10年間に渡り年率20%以上の成長を遂げてきました。中国の国民1人あたりのワイン消費量は2002年の0.25リットルから、2011年には1.1リットルまで、4倍以上になりました。都市部だけに限れば2.2リットルになっています。しかし、それでも世界平均の3.8リットルに比べればまだ低い水準であり、長期的にはまだまだ成長する余地があります。同社は中国のトップのワインメーカーとしてその恩恵を最も享受できる立場にあります。なお、競合としては、業界2位に中国食品(0506)のワイン部門「長城ワイン」(シェア約8%)がつけ、さらに3位には王朝ワイン(0828、シェア約4%)が続きます。ちなみに輸入ワインは全体の25%程度のシェアを占めています。