雑貨/生活雑貨・デザイン雑貨

デザイナー小林幹也の店「タイヨウのした」オープン

デザイナー、小林幹也氏の家具・プロダクトが全て揃うショップ「タイヨウのした」が目黒区碑文谷にオープンしました。「暮らしの市場」をコンセプトに、日用品やオリジナル食品なども扱っています。

江澤 香織

執筆者:江澤 香織

雑貨ガイド

家具からプロダクトまで、幅広いジャンルで活躍するデザイナー、小林幹也氏。そのデザインは海外でも高く評価され、注目が高まっています。事務所設立から6年目を迎え、待望のショップがオープンしました。

オープンの2週間ほど前に、ひょっこりお店を訪ねてみると、その日はまさしく工事も佳境に入ったところ!資材が転がり裸電球の灯る室内に、ややお疲れ気味の小林さんがペンキだらけの格好で登場。1階から4階まで全ての部屋と階段のペンキ塗りは、小林さん本人と友人たちでせっせと作業していたのでした。
「毎日階段を上下に往復していたので、だいぶ痩せましたよ!」
とちょっぴり笑顔。震災の影響で資材の到着が遅れたりしながらも、4月1日にめでたくオープン。場所は環七通り沿いで、駅からはやや離れており、歩くと10分ちょっとかかりますが、お散歩にはちょうど良い距離です。住宅街をてくてく歩いて環七に出ると、不思議なかたちをした窓の、細長いビルが見えてきます。


白い看板が目印。タイル張りの細長いビルです。

白い看板が目印。タイル張りの細長いビルです。

お店の名前は「タイヨウのした」。「暮らしの市場」をコンセプトに、家具、日用品、食品などを幅広く揃えています。小林さんがデザインするときにいつも考えていることは、「暮らしにさり気なく寄り添い、支える」ということ。
「太陽は毎日当たり前のように大地を照らしているけれど、それは人間の暮らしに欠かせない、なくてはならないもの。忘れてしまいそうなくらい普通のことですが、自分がデザインするものもそんな風にさり気なく、でも大切な存在でありたいと思いました」。

波多野光さん作、太陽の絵が飾られた店内。

波多野光さん作、太陽の絵が飾られた店内。

そんな話を聞いていたら、ふと「北風と太陽」という童話を思い出しました。どちらが旅人の服を早く脱がせられるか競争しよう、という物語です。ポカポカと照らす太陽の下で、旅人はきっと気持ちよく服を脱ぎ、心を開いて開放的な気分になったことでしょう。太陽の下に人は集まり、その恵みに感謝し、自然と明るく前向きな気持ちになります。小林さんの店にもそんな思いが込められているのではないでしょうか。店を入ってすぐの壁際には、大きな太陽の絵が飾られていました。イラストレーター波多野光さんの作品です。遠くからみるところんとした穏やかな表情の太陽ですが、近寄ってよーく見ると、ぐるぐる渦を巻いていたり、波立っていたり、太陽の持つエネルギッシュで躍動感のある様子が描かれています。

雑貨や食品の並ぶ1階のショップスペース。

雑貨や食品の並ぶ1階のショップスペース。

お店は1~3階まで。最上階の4階は小林さんの事務所になっています。1階は主に雑貨や食品が並ぶコーナー。小林さんデザインのオリジナルプロダクトがここでは一同に揃います。ドイツで金賞を受賞した「UKI HASHI」(先端が少し浮いているので箸置きがいらない箸)や、自立するお玉「TATE OTAMA」などのキッチン用品や、木の質感を生かした「kime」シリーズで、どっちを握ってもいい左右対称の靴べら「SHOEHORN」(玄関にぽいっと投げ出しておいても、さまになるようなデザインを考えました、と小林さん)や、置いても掛けても2wayで使える「CLOCK」など、さり気ない心遣いを感じさせるインテリアグッズが見つかります。道具として全うなものであり、地に足の着いた生活感を持ち、カッコよすぎない愛嬌があるもの。小林さんらしい潔さとユルさのあるプロダクトが集まっています。

そして独自の目線でセレクトした雑貨も並びます。日本の工芸品、北欧のアンティーク等、国内外、新旧は関係なく、「暮らしの市場」に通じる商品を今後はもっと増やしていくそうです。

写真上左は竹製のUKIHASHI。菜箸もあります。kimeシリーズの靴べらや時計など、手触りを楽しんでみてください。

写真上左は竹製のUKIHASHI。菜箸もあります。
kimeシリーズの靴べらや時計など、木の質感を楽しんでみてください。


左はオリジナルジャム。季節で中身が変わります。右のクッキーは太陽のかたちをしたものがありました!

左はオリジナルジャム。季節で中身が変わります。
右のクッキーは太陽のかたちをしたものがありました!


ここでしか買えないオリジナル食品も扱っています。フルタヨウコさんのジャムは季節感溢れる自然な味わい。今のシーズンは、青森の”葉取らずリンゴ”に桜の塩がほんのり効いた、和菓子のように上品な甘さのジャムがありました。
そして、クル(タカタナオコさん)のクッキーもいろいろ。ほっとするような優しい甘みで、サクサクと噛むほどに粉の風味がじんわり広がる、素朴なおいしさのクッキーです。

さらにスペイン・アンダルシアのオリーブオイルやフランスの野菜の瓶詰めなど、各地で見つけた「これは!」という商品が並びます。

実際に手で触れて、使い心地を試してみましょう。

実際に手で触れて座って、使い心地を試すことができます。


階段を上がって、2,3階は家具のコーナー。こじんまりとしたお部屋のような空間なので、家に置いたときの配置やバランスをリアルに体感することができます。カリモク家具HARU」はここで先行販売、富士ファニチアの「nagi」、匠工芸 の「LAND&SUN」もシリーズ全てを見ることができます。

また、ここでは今後モノ作りの背景を伝えるようなワークショップや各種イベントも開催。人が気軽にざっくばらんな雰囲気で集まって、お互いに影響を与え、交流できるような空間にしたい、とのこと。初回のイベントは4月29日(金)に、デザイナー・秋田道夫さんとのトークショーを予定しています。参加者も一緒になっておいしいものでも食べながら、みんなで「普段の生活」をテーマに語り合います。(詳細は以下HPをチェック。今回、私も司会として参加します)。
http://www.mikiyakobayashi.com/news/2011/0419.html

明るくて温かくて居心地のよい「タイヨウのした」に、みんなで集まってみませんか?

タイヨウのした
東京都目黒区碑文谷5-28-8
TEL 03-6421-3925
OPEN 12:00~20:00 火曜、第1、3水曜定休
http://www.taiyounoshita.jp/
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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