鉄道/観光・イベント列車

南九州を走るユニークな観光特急「指宿のたまて箱」(3ページ目)

九州新幹線全線開業を機して、JR最南端の路線・指宿枕崎線に新しくユニークな観光特急列車「指宿のたまて箱」が走り始めた。JR九州の個性的な列車群のデザインを手がける水戸岡鋭治氏の最新作でもあるこの列車は、型破りのところが多々ある。外観も車内もユニークな列車は、九州新幹線で鹿児島中央に着いた客をさらに南の温泉地・指宿へといざなってくれる。関西から日帰りも可能になった南九州。その旅の魅力を紹介しよう。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

指宿へ向けて、出発進行!

車窓から見える桜島

車窓からは桜島が見える

定時に鹿児島中央駅を出発。車両基地の脇を過ぎ、鹿児島の街並を見ながら進む。線路の状態がよくないのに一生懸命走るから揺れること揺れること。席から立ち上がるときは、何かにつかまらないと、倒れてしまいそうだ。街並を見下ろすように一段高いところを走り出すと、彼方に桜島が見えてくる。五位野を通過後、しばらくすると海が見えてくる。やがて海岸沿いに走り、海の向こうには桜島が悠然と居座っている。絶景区間である。
喜入駅

「指宿のたまて箱」唯一の途中停車駅、喜入駅

喜入駅の入場券

喜入駅の縁起もの入場券

鹿児島中央からおよそ30分で喜入(きいれ)着。唯一の途中停車駅である。薩摩の小京都と言われ武家屋敷や特攻隊の基地があった知覧へのバスが出ている駅だ。また、喜入は「喜び入る」ということから縁起切符が発売され、人気がある。もっとも「指宿のたまて箱」の停車時間は短いので、縁起切符を買う余裕はない。

 

サービスカウンター

1号車のサービスカウンター、売店や記念スタンプがある

喜入を出ると、再び海沿いを走る。桜島は見えなくなったが、対岸の大隈半島が霞んで見える。指宿までの残り時間が少なくなってきたので、1号車のサービスカウンターをのぞいてみた。葉書大の乗車証明書が置いてあり、備え付けの記念スタンプを証明書に押した。女性アテンダントさんがいたので記念グッズはないか訊いてみた。開業したばかりなので、列車の絵葉書セットしかなかったが、記念に購入した。

 

乗車証明書と記念スタンプ

乗車証明書と記念スタンプ

のれんをくぐって、2号車の席に戻ると、列車は宮ヶ浜を通過していた。海岸線が遠ざかると指宿の街並が近づき、もう終点指宿だ。鹿児島中央駅から50分あまりの旅。ユニークな車内を味わい尽くすにはちょっと短い時間だった。

次のページでは、指宿とJR最南端の駅・西大山を紹介。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます