九州新幹線の車窓から
博多を出てしばらくすると左手に新幹線の車両基地がある。この車両基地脇には博多南駅があり、博多と博多南を10分で結ぶ通勤新幹線として地元では利用されている(特急券を含め片道290円)。但し、運行を担当しているのはJR西日本で、九州新幹線の車両は使われていない。やがて、山岳地帯に入り、九州新幹線最長の筑紫トンネルを抜けて新鳥栖に至る。鹿児島本線の鳥栖駅とは離れ、長崎本線とのみ接続する。鹿児島方面から佐賀、長崎方面への乗換には便利だが、博多方面から長崎方面へ向かうなら、あえてここで乗り換える必要はない。博多から「かもめ」を利用したほうが簡単であり、乗換時間を考慮すれば短縮効果はあまりない。
この先、筑後川を渡って久留米を通り、平野の中を進んで筑後船小屋を過ぎる。船小屋は在来線の快速すら停まらない小駅だったが、北隣の羽犬塚、南隣の瀬高という2つの特急停車駅を統合する意図で若干移転して新たに設置された駅だ。それでも、このあたりは新幹線停車駅が多すぎるとの意見もある。
やがて在来線と離れ、新大牟田、新玉名と単独駅が続き、西南戦争の舞台ともなった田原坂(たばるざか)をトンネルで一気に突き進むと熊本である。
熊本までは、1時間4往復だが、2往復は熊本止まりの列車で、この先鹿児島中央までは1時間2往復となる。
熊本からはしばらく在来線に沿って高架線上を走る。全線開業までは在来線リレーつばめとの乗換で知られた新八代は、速達列車は通過となり、新八代付近の利用者にとっては不便となった。
この先は、トンネルが多く、車窓はあまり楽しめない。それでも、トンネルの間に見える球磨川、新水俣と出水(いずみ)の間で右手に僅かに見える八代海の景観などは見逃せない。川内(せんだい)を出てもトンネルが続き、やっと視界が開けたと思うと、列車はあっけなく終点・鹿児島中央に到着する。
高架ホームの行き止まりの先には、噴煙を上げている桜島の姿が望め、鹿児島に到着したことを実感できる。
最後に、九州新幹線利用のメリットを見てみます。