中国のみならず世界最大の銀行~中国工商銀行~
今回は中国のみならず世界最大の銀行である中国工商銀行をみていきたいと思います。同社はどのような特徴を持ち、株価はどのようになっていくのでしょうか。これから中国の経済が発展していくことを考えた上で、経済の血液たるお金を市中に流す、いわば経済の心臓の役割を果たす銀行株は長期的には外せない投資対象と言えます。中国では住宅ローンや自動車ローンはまだまだ普及していません。しかし、これから労働人口が増え、所得が年々上昇している中国では、住宅や自動車の需要は長期的に拡大傾向にあることは間違いなく、今後住宅ローンやカードローンが普及していく可能性も非常に高いと言えるでしょう。
工商銀行は中国四大国有銀行のうちの一つで、四大国有銀行の中でも最大の総資産を持ち、ペトロチャイナに次いで中国2位の時価総額を誇る企業です。預金量、時価総額で中国トップであることはもとより、世界最大の銀行です。もともと中国四大銀行は、工商銀行はその名の通り商業へのファイナンスを担い、建設銀行はインフラ系へのファイナンス、中国銀行は為替と貿易、農業銀行は農業とそれぞれ元々役割がありました。しかし現在では各々が総合商業銀行として活動しています。ちなみに、工商銀行の香港上場は2006年10月で、4行のうちで3番目の上場でした。
欧米の金融機関が大きくダメージを受けたリーマンショック前の時点で工商銀行と世界の銀行を比べてみましょう。工商銀行の2008年上半期の利益は日本円で1兆円でしたが、ダントツで世界1位の銀行です。2007年は6位でしたが、欧米の上位銀行が巨額の損失計上で総崩れとなっているのと同時に、工商銀行自身がサブプライム問題の影響が軽微で業績が大幅成長したことの2つの効果で初の売上&収益世界首位銀行となりました。また時価総額でも米シティーバンクや英HSBC、東京三菱UFJ銀行を大きく上回っており、上場している銀行としては時価総額でも世界1位規模の銀行となりました。