違和感を覚えるサッカー選手に対する「若い」という表現
24歳と言えば普通は若い年齢だが…
開幕節を伝える記事のなかに、平均年齢が24歳過ぎのチームを「若い」と表したものがあった。24歳と言えば、大学卒業2年目か3年目である。大手企業であれば、ようやく責任ある仕事を任される頃だろうか。日本社会や会社組織のなかでは、確かに「若い」印象を与える。
J1リーグの18チームの平均年齢を調べてみると、24歳台のチームは少数派である。手元の集計では、わずかに3チームしかない。「若い」のは間違いない。しかし、平均年齢が24歳過ぎでも、高校卒業の選手を多く揃えていたら、状況はずいぶんと違ってくる。プロとして5年以上もプレーしてきた選手たちに、会社組織と同じように「若い」という表現は使うのは、少しばかり無理がある。
2010年のFIFAバロンドール(国際サッカー連盟選出の年間最優秀選手)に輝いたリオネル・メッシ(アルゼンチンは、87年6月生まれの23歳である。バルサのライバルであるレアル・マドリーでプレーするメフト・エジルは、88年10月生まれの22歳だ。では、彼らは「若手」と言われているだろうか。「若さ」が免罪符となり、批判や非難を免れているだろうか。いずれも答えは「NO」である。ピッチに立ったら年齢は関係ないという世界で、彼らは生きている。
ちなみに、エジルが所属するレアル・マドリーは、平均年齢25歳台のチームでリーグ戦を戦っている。3月7日に行なわれたラシン戦は、25歳以下の選手が7人もスタメンで出場していた。それでも、「若い」から負けたとか、「若い」から苦戦を強いられたという表現は決して使われない。