圧倒的な銅の埋蔵量を持つ、中国最大の銅企業
江西銅業は生産量ベースで中国最大の産銅会社です。親会社からの資本注入や海外での買収により大きく資産を伸ばしてきました。国内最大規模の露天掘り銅鉱山である徳興銅鉱など、江西省に6つの鉱山を保有している他、ペルーとアフガニスタンにも鉱山を保有し合計8つの鉱山を運営しています。2011年末の資源保有量は銅が国内最大の1089万トン(この他407万トンを株式持ち分で保有)、金の保有量においても中国4位となる343トン(この他42トンを株式持ち分で保有)を有している他、銀も9669トンを有し、、モリブデン26万5000トンなどのレアメタルも大量に有し、現在は国内最大のレアメタル生産企業ともなりました。中国は国内で国際非鉄金属メジャー企業を育てていく方針ですが、同社は中国を代表する総合金属メジャーへの道を着々と進んでいます。規模的に、また取り扱い鉱物も多種多様に及ぶ江西銅業は政府にとって外せない、最重要鉱山会社の一つとなると思われます。現在のところ中国アルミ(02600)以外、他に規模的な対抗馬は見当たりません。
目先の業績はスローダウン基調だが・・・
2011年の決算は売上が前年比53.9%増の1176億4099万元、純利益が33.5%増の65億4945万元という大幅増収増益でした。しかし、下半期の銅価格の下落によって予想された利益を少し下回る内容でした。生産量が拡大し販売価格が上昇したため、売上は大きく伸びています。ただ国際銅先物価格の推移をみると、2011年前半はよく上昇し高値を保っていたのですが、年後半から大きく値下がりしています。第4四半期の売上は第3四半期に比べて売上・利益ともに10%程度の減収減益となりました。
2011年後半の銅価格の下落は2012年第1四半期も続き、上海の銅価格は前年同期比で17%の下落となり、第1四半期は売上が前年同期比14.2%増の287億7600万元、純利益が9.6%減の14億3400万元と増収減益となりました。ただし、第4四半期に比べると粗利益率や純利益額は改善されています。
2011年の銅の自社調達率は21.5%になり、前年の19.1%よりさらに拡大しました。この比率が増すほど利益率も増すこととなりますが、2011年後半からは銅価格の下落の方が利益率を押し下げる状況となっています。