懐かしの在来線車両が続々登場
新幹線電車の右には在来線特急電車381系「しなの」が停まっている。中央西線を中心に名古屋~長野をメインに活躍した電車で、わが国初の振り子式車両だ。カーブの連続する山岳路線でのスピードアップに貢献した歴史的車両だ。その右の流線型電車は、モハ52形、通称「流電」で、晩年は飯田線で活躍したが、当初は京阪神の急行電車として華々しく走ったスターだ。以上二両は、鉄道高速化の歴史においてエポックとなった電車だ。
そして右側の茶塗りの二両は古豪の電車モハ1形と電気機関車ED11で、いずれも歴史的車両だ。
後ろに行くと、お召し列車に度々使われた蒸気機関車C57形や東海道本線を駆け抜けた電気機関車EF58形の姿が見えるが、特筆すべき珍しい車両としては、蒸気動車ホジ6005形を挙げなければならない。
貴重な歴史的車両も展示
蒸気動車というのは、ディーゼルエンジンの代わりに蒸気機関が使われた旅客車両。小型蒸気機関車と客車が一体となった車両と言ったら分かるだろう。天井の煙突から煙を吐いて、蒸気機関車と同じサウンドを立てて走ったのだろうか。この車両は走ることができないので、走行シーンを見られないのが返す返すも残念だ。当時の映像は残っていないのだろうか?なお、この蒸気動車は、1913年製で、1943年まで関西本線などで運転された。
一番奥には、収蔵車両エリアとして、13両の車両が横一線に並んでいる。旧型客車、ディーゼルカー、急行電車、0系新幹線と様々だ。車庫のようにぎっしり詰まっていて、車両の外観全体をじっくり見たり、車内へ入れないのが残念ではある。
うっかり忘れそうだが、屋外にも、小型蒸気機関車ケ90形と新快速電車117系が置いてある。
ケ90形は、JR在来線の線路幅1067mmより更に狭い762mmというナローゲージ用の機関車で、今の太多線(多治見~美濃太田)が、1928年に1067mmへ改軌されるまで使われた歴史的SLだ。
一方、117系は、関西の新快速として走ったが、1982年から名古屋地区でも「東海ライナー」として使われた地元所縁の車両だ。お見逃しのないように!
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