広大そのもの
荷物の高さに応じて、トノカバーの高さを調整できるスライディングカバーやV6に用意するラゲッジの仕切りが便利。荷室の開口高が高い点を除けば、大型SUVに期待される容量は十分以上に確保されている
ラゲッジは後席に座っていても、日常使いなら何ら不足はないほど。後席は背もたれを倒せば長さも幅もデカイな!というほど拡大できる。スライディング式で高さを変えられるトノカバーは、相変わらず重くて脱着は大変だが、V6ガソリンには、広大な荷室を仕切れるラゲッジマネジメントシステムなどを設定するからありがたい。弱点をいえば、フロアが高いから自転車などの大きくて重い荷物を積むのが大変なのと、荷室のフロアやトリムまで上質にしつらえてあるので、汚れた荷物などを載せるのが忍びない気がするくらいだろうか?
後席が格段に広くなっているのもニュースだ。とくに、フットスペースの余裕は、160mmのスライド機構もあってひと回り大きくなったなという印象を受ける。
V6、ハイブリッドのどちらを買うか
前後重量配分に考慮し、ハイブリッドモデルのニッケル水素バッテリーは、ラゲッジに下にレイアウトされる。それでもラゲッジスペースの広さと使い勝手が犠牲になっている印象はない。その代わり、ハイブリッドはスペアタイヤではなくパンク修理キットを搭載する
V6ガソリンは623万円、ハイブリッドは898万円と900万円に迫る。1098万円のカイエンハイブリッドよりもちょうど200万円も安いとはいえ、V6ガソリンと比べると275万円の価格差がある。ハイブリッドの13.8km/L、V6ガソリンの9.5km/Lの燃費差で元を取るのは結構な走行距離が必要になりそうだ。ただし、このクラスのクルマを買う人だから、そんな些細な損得で考える人は少数派かもしれない。それよりも、2トンを超える重量と全長4.8m、1.9mを軽く超える全幅をもつ巨体SUVに、エコ全盛期のいまあえて乗る免罪符としてハイブリッドは強力な効き目がありそうだ。もちろん、V6ガソリンの高級感や実用性には文句ないが、高級車としてトゥアレグを捉えるのなら、ハイブリッドをチョイスするのは十分にアリだろう。