FX・外国為替証拠金取引/FXの基礎を学ぼう

2種類ある!? FX取引の確定申告方法(2ページ目)

FXで利益を得た場合、税金は自分で確定申告することが必要です。確定申告の方法は、FX業者の店頭取引の場合と、くりっく365や大証FXを利用した場合とで異なります。今回は、それぞれの確定申告のポイントを解説します。

やがら 純子

執筆者:やがら 純子

マネープラン入門ガイド

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FX店頭取引の場合の税金

意外と簡単だな

意外と簡単だな

FX業者の店頭取引で得た利益は、「雑所得」として、給与など他の所得とあわせて「総合課税」されます。税率は、総合課税されるすべての所得の合計額額によって変わり、所得が多い人ほど税率が高くなります。

FX取引の利益にも必要経費が認められる

FX取引で得た利益全体に課税されるわけではなく、利益からFX取引を行う際にかかった「必要経費」を差し引くことができます。

この場合の「必要経費」とは、FX業者に払う手数料や、入出金のための振り込み手数料、通信費などのほか、FX取引を行うにあたって勉強した書籍代やセミナー参加費用、FX取引のために使った文房具なども経費として認められます。ただし、常識に照らして経費が多すぎる場合は、税務署から説明を求められる可能性もあります。パソコン購入費は、FX専用で使っていることを説明できれば認められると思いますが、他の用途にも使っている場合は、全額が経費にはならないと思われます。


FX取引で損した場合は相殺できる

1年間のFX取引の結果がマイナスだった場合、他の雑所得と損益通算(相殺すること)ができます。たとえば、FXで10万円の損失があり、講演料や執筆料で15万円の利益があった場合、15万円-10万円=5万円となり、雑所得5万円に対して税金がかけられることになるのです。

なお給与所得などとの損益通算や相殺しきれなかった分の翌年以降への繰越はできません。


FX店頭取引の確定申告で必要な書類

確定申告の用紙には、申告書Aと申告書Bがあります。Bは誰でも使えます。Aは、申告する所得が「給与所得や雑所得(FXの利益)、配当所得、一時所得だけの人」が使えます。サラリーマンの方は、たいていの場合、申告書Aが使えます。

店頭取引だけでなく、くりっく365や大証FXも行っている人は、申告書B(および分離課税用の第三表)を使います。


申告書の書き方

まず、申告書の第二表の「雑所得・配当所得・一時所得」の欄に記入します。所得の種類は「雑」、所得の生ずる場所は「FX業者の名前」、収入金額は「FXで得た利益の金額」、必要経費等は「FX取引のためにかかった経費の金額」を記入します。

そのほか、会社からもらった「源泉徴収票」を元に、給与所得や社会保険料控除、生命保険料控除、配偶者控除や扶養控除などの欄を埋めていきます。

次に第二表の内容を、第一表に転記していきます。FXの利益については、収入金額等の雑の欄に、他の雑所得との合計の利益額(経費を引く前の金額)を書きます。所得金額の雑の欄には、経費を引いたあとの金額を書きます。

そのほか、給与所得に関する項目等を埋め、税金額を計算します。その額から、すでに源泉徴収されて納めている税金の額を引いて、追加で支払う税額を求めます。

次のページは、くりっく365や大証FXでFX取引した場合の確定申告について解説します。

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