家庭用充電池も実用段階に!
また単にエネルギーのマネジメントだけでなく、それを活かして、省エネ生活への工夫や気付きに関する情報を提供、共有したり、家族のライフスタイルに応じた様々なサービスを提供できる住宅でもあります。
大和ハウス工業が開発した家庭用蓄電池。現在、埼玉県の春日部展示場などで実証実験を行っている
実は、昨年最も驚いたのが、住宅用蓄電池が実用段階に入ったことを知ったことでした。これは大和ハウス工業の取材でのことでしたが、実際にモデルハウスにおいて実証実験をしていました。ちなみに同社では、蓄電池を自前で生産しています。
これまでPVで発電した電力は昼間しか活用できませんでしたが、蓄電池の実用化により、夜間でも活用できることになります。これによりエネルギー需給や省エネのあり方が大きく変わり、効率化が図れるというわけです。
蓄電池の役割も担う電気自動車
それから電気自動車。私は自動車の運転をしないのでこの分野に関してはあまり関心がなかったのですが、スマートハウスの世界では電気自動車は単なる乗り物ではなく、蓄電池としての役割も期待されていることを知り、住宅と自動車の関係が新たな時代に入ったのだと感じさせられました。これからの住宅には電気自動車用の充電プラグが標準になるかもしれない。写真は、積水ハウスなどが実証実験を行っているスマートハウスのもの
要するに、こうした装置を導入することでより環境負荷の少ない暮らしを目指すというのがスマートハウスの基本コンセプト。ただ、単に装置だけがあれば十分というわけでなく、それを統合制御するシステムが必要となります。それがHEMS(Home Energy Management System)です。
HEMSは、住宅と、携帯電話や電気自動車などと連携させるもの。これらについても実用化に向けたトライアルが、ハウスメーカーはもちろん、電力会社や通信会社、自動車会社などを含め、昨年から様々なかたちで行われています。
スマートハウスは20年~30年後の未来を見据えたもの。それは地球の環境問題やエネルギー問題はもちろん、スマートグリッドといったさらに先のエネルギーのあり方までを想定しており、その開発と規格の標準化のイニシアチブ争いが激化するのが、2011年であると思われます。