今年は「CO2±ゼロ住宅」の量産化元年に
ミサワホームが建設した「エコフラッグシップモデル」。断熱性の向上やカスケードソーラーなどハード面だけでなく、通風や採光に配慮した居室構成、外構づくりといったソフト面も工夫している
従来までは、「光熱費ゼロ住宅」があり、経済性の部分では収支ゼロを達成することができる住宅はありました。ただCO2ベースでの収支ゼロについては、技術面やコスト面がネックになり実現が難しい部分がありました。
しかし、今年は「CO2±ゼロ住宅」の量産化元年となりそうなのです。すでに、ハウスメーカー各社が今年中に商品化する方針を打ち出していますし、実は今年に入ってミサワホームが「LCCO2マイナスモデル」として発売を開始しています。ミサワホームはフラッグシップモデル建設
昨年、私はこのモデルのフラッグシップとなる建物(「エコフラッグシップモデル」)を見学してきましたので、少しご紹介しましょう。フラッグシップとなる建物は、ミサワホーム総合研究所内の敷地に建設されています。主な特徴は以下の通りです。(1)カスケードソーラーシステム(PV+太陽熱利用)による創エネルギー技術基礎断熱や付加断熱システム、高断熱ガラスなどの省エネルギー技術を採用
(2)涼風制御システムや生物多様性の庭などのECO微気候デザインを採用
(3)長く住み続けられて家族構成や使用形態などの変化に対応する「田の字」ゾーニングを採用
(4)田の字の各ブロックに光や風を招き入れる「十の字」空間を採用
(5)家庭内のエネルギー利用を最適化する蓄電池付きHEMS、PHV(プラグインハイブリッド)やEV(電気自動車)に対応する次世代自動車充電ステーションを提案
このほかにも色々と特徴があるのですが、基本はこんな感じ。例えば、外壁の厚さは従来のミサワホームの商品の2倍(つまり断熱材を2倍使用)しているそう。新年早々に発売された新商品「LCCO2マイナスモデル」(ジニアスシリーズがベース)はこの基本性能を反映させています。
さて、ハウスメーカー各社が「CO2±ゼロ住宅」の開発に力を入れているのは、今後の「スマートハウス」という新しい住宅のあり方について模索をしているから。次のページでその動きをご紹介します。