取材資料読書週間
海堂さん初めての純愛ミステリー!角川書店刊。
『悪の教典』は殺人鬼のユニークな言動に大笑いしながら、一気読みした記憶がある。ただ、貴志さんの作品だったら『新世界より』のほうが断然好き。人間の想像力に対する祈りが、奇想あふれる物語に込められている。
芥川賞候補作で唯一、単行本が発売されている小谷野敦『母子寮前』も買ってあるのだけれど、その前に取材資料を読まなければ。
まず海堂尊『モルフェウスの領域』。海堂さんにお会いするのは、デビュー作でインタビューしたとき以来。
桜宮サーガの新ヒロイン、日比野涼子は、父親と一緒に第三世界の小国を流浪し、各国領事館の図書館に入り浸って、十数カ国語に対応できる語学力を身につけた。本ばかり読んでいる内気な少女だった涼子の
――外で動き回る人だって、本当に世界を見ているわけじゃない。
紙上の虚数空間も、それを認知した時点で、実世界になるのだ。
紙上の虚数空間も、それを認知した時点で、実世界になるのだ。
次は23年という時間をかけて書かれた超大作。