お正月明けは、「お餅を食べたら歯が取れた」という患者さんが、毎年のようにやってきます。どんな種類の詰め物や被せものが取れやすいのか? ガイドの経験から見た、外れやすい詰め物ベスト3をご紹介します。休診の歯科が多いお正月休み中に不便な思いをしないよう、なるべく注意するようにしましょう。

外れやすい詰め物:第3位 前歯の差し歯

セラミックの歯が取れた

セラミック製の差し歯。自分の歯が取れたと勘違いしてしまうこともあるようです

お正月はお雑煮などのお餅料理を始め、普段食べないような料理が多いもの。伝統的な食事は身体にはいいようですが、差し歯などに余分な力がかかることも多いようです。特に奥歯がすでに入れ歯で、前歯は差し歯という場合は要注意。

前歯で固い物を噛むと、歯の根が折れたり裂けたりして、差し歯が抜けてしまうことがあります。根が縦に2つに裂けるように割れた場合は、抜歯しか治療方法がなくなってしまいます。

外れやすい詰め物:第2位 被せもの

お正月は親戚などが集まり、改まって食卓を囲む時間が長くなりがち。これらは歯の負担が多くなる原因の1つ。被せ物の周囲などがすでに虫歯になっている場合などは、わずかに残った健康な歯の部分が折れ、そのまま被せものが外れてしまいます。

すでに歯の神経を取り除いてある場合には、取れても全く痛みがありません。しかし放置すると口臭や虫歯進行のリスクがあります。お正月休みが明けたら、すぐに病院に行くようにしましょう。

外れやすい詰め物:第1位 インレー

インレーとは奥歯に多い、歯に金属を埋め込んであるように見えるもの。この中で圧倒的に外れやすいのは、樹脂やセラミックではない、金属タイプのインレーです。お餅を始めとする粘着食品では、噛み合わせて引き上げる際に外れてしまうことが多いようです。

番外編 入れ歯

お餅などの粘着食品に特に気をつけなければならないものは、実は入れ歯。一般的にはどんな入れ歯も、必ず取り外せるようになっているため、噛み込む方向には安定するが、引っ張られる方向には、外れやすいのが特徴とも言えます。特に小さな部分入れ歯などは、お餅などの粘着食品を食べて外れた拍子に飲み込んでしまわないよう、注意しましょう。

ちなみに外れたり取れたりした金属などは、飲み込んだのであれば、口の中に使うことを前提として配合されている金属のため、すぐに溶けて有害物質が出るようなことはありません。数日で排泄されるので、様子を見ます。ただし、気管に落ちた場合には、すぐに病院で検査してもらうようにしましょう。


インレーが外れやすい主な原因

■ 噛み合わせによる歯のすり減り
小さなインレーは、金属などの周囲の歯が支えになっていることが多いです。使用年数とともに支えている歯の方がすり減った場合、インレーが支えきれなくなり、粘着物に引っ張られて取れてしまいます。

■ 虫歯
インレー周囲から内部に虫歯が入り込むと、金属の周囲に沿うように進行したり、内部で空洞を作ったりします。隙間を埋めているセメント効果がなくなるため、この場合も金属が外れやすくなります。

■ セメントの劣化など

内部には虫歯が全くなくても、セメント劣化が原因となることも。とは言えセメントの耐久性は年々進歩しているため、最近のセメントが昔に比べて劣化しにくいのも事実。劣化は外から確認できないのが難点です。

■ 歯の形状
歯の詰め物は、一般的に歯をたくさん削って深い穴を作るほど、詰め物が外れにくくなります。しかし、虫歯の進行が少なければ、余分に削ることをためらうことも多くなります。歯をできるだけ削らず、保存しようとすればするほど、外れやすいものになってしまうといった難しい面もあります。

急に被せものが外れるのを防ぐために

虫歯や金属の隙間などは、普段から定期検診を行なっていれば、突然取れるようなケースはある程度予防できます。しかしセメントが劣化だけは、定期検診でも予防できません。確認するためには、全ての金属を削り取って内部を調べなければならないからです。ただ状況によっては、外れた金属の内部に虫歯がなければ、そのまま金属を新しいセメントで取り付けれることもあります。
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