家は30年もすると、いろいろなところが傷んでいたり、家族の事情で住み辛く、あるいは使い辛くなったり、リフォームを検討されるケースが最も増えてくる頃となります。しかし、いざリフォームを行うとなると、どのくらい費用がかかるのか心配だという方もいらっしゃるでしょう。実際のリフォーム現場では築30年以上の一戸建ての場合、一つの目安として予算500万円を目標とされる方が比較的多いように思います。

今回はその「予算500万円」をテーマに、築33年の一戸建てをリフォームされたAさんの事例をご紹介します。予算の上手な掛け方、配分の仕方、そしてプランニングの際のポイントなど、お金を無駄にしないための上手な計画の立て方を参考にしていただきたいと思います。

退職を期にリフォームを決意!予算は500万円

Aさん宅

予算500万円でリフォームを決意したAさんのお住まい。築33年の愛着あるお住まいです。

Aさん(60代男性)は約40年勤めた会社を定年で退職することになりました。10年ほど前に奥様を病気で亡くしてからは、3人の子どもたちと支えあいながらもひたすら真面目に勤め上げてきました。数年前に長男は結婚し独立、次男は一人暮らしを始め、現在は娘さんと2人で暮らしています。

これからのことで気がかりだったのは住まいのこと。退職後は自宅で過ごす時間が増えます。しかし今まで忙しかったこともあり、ところどころ修理はしていますが、築33年の住まいはあちこち傷みが目立ってきています。そこでAさんは退職を期に、住まいをリフォームしようと決意しました。今後のことを考え、リフォームに使える予算を500万円と設定して、業者との打ち合わせに臨むことにしました。

リフォームの優先順位を外回り→水回り→内装に設定

業者との初回打ち合わせの中で提案されたことは「優先順位」の設定。500万円という大金といえども、無計画ではあっという間に予算をオーバーしてしまいます。緊急性の高い修繕要素の高い工事や、Aさんが現在困っている箇所を重点的に予算配分した方が良いと薦められ、早速Aさんは優先順位を考えることにしました。そして以下のとおりの優先順位となりました。

  1. 外壁・屋根の補修及び塗装
  2. 給水・給湯管の引き換え、給湯器の交換
  3. 在来浴室からユニットバスへのリフォーム
  4. 洗面脱衣室のリフォーム(洗面台交換、収納造作工事)
  5. キッチンの交換
  6. 廊下床の修理、建具撤去
  7. サッシの交換
  8. 和室内装のリフォーム

Aさんの考えは明確です。まず住まいを長持ちさせるために雨漏りや水漏れを防ぎ、次に自分が以前から不満に感じていた水回り設備の取替え、劣化や使い勝手が気になっている部分の補修、そして普段自分が過ごす和室の模様替えという優先順位でした。

水回り設備の実物を確認しにショールーム見学へ

数日後、業者が見積り書を持って来ました。その金額は約473万円。優先順位や要望をまとめた結果、しっかりと予算範囲内に抑えることができそうです。Aさんはほっと胸をなでおろしました。

しかし業者は「工事金額は把握できたと思いますが、新しい水回り設備は必ず実物をご覧になった方がいいですよ」と言います。Aさんはカタログなどもしっかり目を通し、寸法や機能面などを確認していただけに、この業者の発言は意外な感じがしたのですが、同居している娘さんにも勧められ、後日メーカーショールームに行くことになりました。

新しい浴室なのに足が伸ばせない!?

浴室

以前の浴室は寒々しく、やや狭いのが難点でした。でも、せっかくリフォームしてもあまり広さが変わらないのでは満足度が下がってしまいますよね。

ショールームに来てみるとAさんは業者の言っていた言葉の意味がわかりました。現在の浴室サイズに対応したユニットバスでは、洗い場や浴槽がさほど広くならず、残念ながら浴槽の中で足を伸ばして入浴することができないのです。これからは時間に追われずゆっくりと入浴できる、と思っていたAさんにとって、このことは非常に悩ましいことでした。

ショールームで頭を抱えていたAさんに、業者の担当者がアイデアを出してくれました。Aさんの住まいは浴室とキッチンが隣接しており、壁を一部壊し、キッチンの向きを変えて間口を小さくするという間取り変更で、1サイズ上のユニットバスを導入することも可能だというのです。間口が小さくなっても、昇降機能付きの吊戸棚などを上手に活用すれば、収納スペースもほとんど今までと変わらないということもわかりました。

見積り額515万円→実質負担額486万円のリフォームに!

間取り変更も必要になったことで予算オーバーが気になっているAさんでしたが、今回のリフォームではバリアフリー減税、省エネ減税の対象となる部分が多く含まれており、最大で45万円の減税制度が用意されていることがわかりました。
>>バリアフリー減税について
>>省エネ減税について

再度業者から提示された見積り金額は515万円ですが、この中にはAさんが考えていた8つのリフォーム要望はすべて盛り込まれている上、適用できる減税を考慮するとAさんの実質負担額は約486万円となり、予算についても無事クリアすることができました。

それではAさんのリフォーム写真を見てみましょう。次のページでご紹介します。