サムライ債とは
サムライ債は、「利子も、償還時に戻ってくるお金も日本円」のタイプが基本ですが、「利子は日本円、償還は外貨」というデュアル債、「利子は外貨、償還は日本円」というリバース・デュアル債も、サムライ債と呼ばれることがあります。
サムライ債の歴史
1970年にアジア開発銀行が発行した債券が最初のサムライ債です。はじめのうちは国や公的機関、国際機関などのサムライ債が発行されましたが、1979年に初の民間企業によるサムライ債が登場しました。1989年にはリバース・デュアル債、1991年には変動利付債が登場し、1996年には発行体の格付け条件が撤廃され、リスクの高い(たとえば途上国の国債など)サムライ債も可能になりました。現在は、発行体も内容もさまざまなサムライ債が起債できるようになっています。サムライ債の魅力とリスク
日本円建てで支払われる利子や償還金は為替リスクがないこと、預貯金や日本の国債などに比べて金利が高めであることなどが、サムライ債の魅力です。金利は、変動金利型や、毎年金利が上昇していくステップアップ金利型などもあります。リスクとしてもっとも注意すべき点は、「信用リスク」です。発行した国や企業の財政破たんなどによって、約束された利子や償還が行われない「債務不履行の可能性」となってしまう可能性があります。例えば、2001年12月にはアルゼンチンの国債が、2008年9月にはリーマンブラザーズ、10月にアイスランドのカウプシング銀行のサムライ債が債務不履行に陥りました。
発行体の財務状況などをしっかり確認することが大切ですが、外国の企業などの情報はわかりにくいのも現実です。その場合は、格付けが参考になります。
また、利子や償還が外貨建ての場合(デュアル債、リバース・デュアル債)は、為替リスクがあります。このほか、満期が来る前に繰り上げ償還される可能性があることや、株価の動き等によって金利などの条件が変更されるといった条件がついている商品があることも、知っておきましょう。
次のページでサムライ債の買い方について解説します。