キャラクター列車を楽しもう
テレビやアニメ、映画でおなじみのキャラクターは、あらゆる層に人気だ。最近は町おこしの一環として、原作者の故郷や物語ゆかりの地で熱心にアピールされている。そして、こうしたキャラクターは鉄道車両にも波及し、車体に派手なペイントを施して注目を浴びるようになった。その代表ともいえるのが、山陰の米子と境港を結ぶJR境線の鬼太郎列車である。妖怪が勢ぞろいしたJR境線のイラスト列車
「ゲゲゲの鬼太郎」で有名な漫画家・水木しげるの故郷である境港(鳥取県)は、2010年のNHK朝の連続ドラマ「ゲゲゲの女房」で一躍全国的に知られることとなり、観光地としても一大ブームを巻き起こした。しかし、境港では町おこしとして、水木しげるロードという観光商店街を既に1993年にオープンさせている。JR境線でも、その境港へのアクセス鉄道としてアピールするため、水木しげるが創った妖怪たちを車体に描いた「イラスト列車」の運行を同時に開始している。だから、今に始まったことではなく相当な「実績」があるのだ。今回のブームにあやかるように「イラスト列車」は何回目かのリニューアルを行い、デザインを刷新している。
境線の「イラスト列車」には、「鬼太郎列車」「ねずみ男列車」「ねこ娘列車」「目玉おやじ列車」の4種類があり、2010年11月をもってすべての列車のリニューアルが完了した。いずれも車体のみならず、車内にもキャラクターが所狭しと描かれている。見ているだけで愉しいが、列車としては普通の各駅停車の運行であり、車内でイベントが行われることはない。
また、境線全駅には、「ねずみ男駅」(米子駅)、「ざしきわらし駅」(富士見町駅)といった具合に妖怪の名前の愛称が付けられ、駅名標には、その妖怪のイラストが大きく描かれている。終着駅の境港駅の愛称は「鬼太郎駅」で、お化け屋敷の入口のような改札口をくぐると、妖怪のテーマパークのような境港の街が目の前にある。