そのほとんどの原因は、現場を事前に見てもらっていないことにあるのです。そこで今回はこの「現場調査(現調)」の重要性についてご紹介します。
メールや電話だけでは伝わらないリフォーム内容
床を張り替えるだけであっても、重ね張りで出来るのか、下地ごと入れ替える必要があるのかによって施工内容は全く違います。
その理由は、施主が普段見ている(あるいは考えている)住まいの傷み具合と、業者が施工する立場で考えている住まいの傷み具合に大きなギャップがあることと、施主がリフォームと関係ないと思っている箇所が、実はリフォームの仕上げに大きく関係があったりすることなどが挙げられます。
例えば床をリフォームするケースで考えてみましょう。施主は傷が付いてしまっているフローリングの表面材だけを交換して欲しいと、業者に電話やメールで施工面積を伝えたとします。業者もその程度の工事なら比較的簡単だし、施工面積もしっかり測ってくれているので、現場は見ていませんが安心して金額を提示します。そして工事が決定し、いざ業者が実際の住まいを見てみると、床表面だけではなく下地も傷んでいて、追加工事の内容・金額で揉めてしまうというパターンです。
もしも施主が下地補修を断ってフローリング表面だけに固執して工事を進めれば、やがて下地はもたなくなり、結局は最初のリフォームがムダになりますし、施主が追加工事を承知したとしても、予期しなかった追加費用が発生するというコストトラブルとなります。
現場調査を補うための打ち合わせメール・電話が望ましい
パソコンもコミュニケーションツールの一つです。現場調査をしっかりと補うようなやり取りが重要です。
施主にわかりやすく、そしてできるだけ正確な見積りを作ってあげようとする業者ほど、追加費用の発生を見越して費用の全体を出そうとする一方で、上辺だけの安い見積りを出して取り急ぎ契約を取り、そして後から追加費用を取ろうとする業者のどちらが、施主の立場に理解しようとしているかを考えれば、安易に「○○円で工事できる」とメールや電話で(時には初回訪問だけで)金額提示をする業者との交渉は注意が必要です。
本来は現場調査を補うためのツールとしてのメール・電話打ち合わせが理想です。ですがやむを得ず業者からメール等で概算金額を提示してもらう必要がある時は、施工条件(範囲、使用材料の品質など)や追加工事が発生する可能性なども含めて回答をもらうようにすればよいでしょう。
人と家の数だけリフォームに求められる内容が違う訳ですから、現場を十分に理解しようとすることは、施主にも業者にも必要です。そのことをよく理解して、適切な工事を見つけることができるようにしたいものです。