夫婦間の扶養義務は別居中でもしっかりあります!
「別居をする理由は何か?」それによって生活費が支払われるかどうかにも影響が出てきます
さて、いよいよ本題です。結論から言うと、たとえ別居期間であっても相手の生活の面倒を見る必要はあります。夫婦間の扶養義務はあるのです。
たとえば、夫の暴力が原因で家を出た場合、妻は別居中の生活費に一部を「婚姻費用」として相手に請求することができます。
夫婦間に子どもがある場合は、婚姻費用のうち、生活を保てる程度は支払わなくてはなりません。ただし、子どもがいない場合などは、夫婦が破綻にいたった責任はどこにあるのか、どのくらい破綻しているのか、といった理由や状況に応じて減額されることもあります。
「浮気→別居」は生活費の請求が認められないことも
生活費の請求が認められないケースもあります。それは、請求者に一方的な責任がある場合などです。たとえば、妻がほかの男性と浮気をしたのち、別居を言い出して家を出ておきながら、夫に生活費を請求したとしても、当然のことながら支払いは認められません。また、「夫が愛人のところに入り浸って生活費を支払わない」というときには、双方の収入に応じて裁判所が相当と認める婚姻費用の分担請求が認められます。支払う能力があるのにお金を払わないようであれば、内容証明郵便の送付や調停にかけることは可能です。
いずれにしても、「なんのための別居か?」「最終目的に向けてすべきことは何か?」「離婚後の生活設計はもちろん、別居中の生活費の確保はできているか?」という3つのポイントをおさえてから別居に踏み切ること。そうすれば、関係が悪化した夫婦や問題を抱えている夫婦にとって、別居はなんらかのプラスの方向に転ぶ解決法が見つかる可能性が高い選択といえるでしょう。