SUVの常識を超えた軽快感

エンジン

エンジンはV8DOHC。カイエンSは400psちょうどの最高出力と51.0kg-mの最大トルクを発揮する。8速ティプロトニックSの完成度も文句ない

街中を抜け、首都高速に入るとその新しいカイエンSの真価の一端がかいま見えた。アクセル操作に対するエンジンレスポンスがすこぶる良好で
、ほぼ全域、ロックアップ領域にあるようなエンジンをダイレクトに感じさせる。8速ティプロトニックSの変速はスムーズそのもので、マニュアルモードにすれば反応のよさも楽しめる。街中では大トルクで2130kgという重量をまったく感じさせないのだ。カイエンSは180kg!ものダイエットに成功したというが、とてもSUVとは思えない身のこなしで、首都高をクリアしてしまう。もちろん速度域としてはもの足らないが、鼻先の軽さは完全にスポーツカーそのもの。

SUVでもフットワークに秀でるBMW・X5もあるが、ニューカイエンが相手では分が悪い。単にハンドリングがいいだけでなく、非常に素直な特性なので扱いやすいのだ。運転してしまえばボディサイズを感じさせないのが、ニューカイエンの魅力といえるだろう。

乗り心地も上々

タイヤ

タイヤサイズはカイエンSが255/55R18が標準。試乗車は275/45R20のミシュランタイヤを装着していた

高速道路での直進安定性も不満はないが、ステアリングの応答性が高まった分、気の抜けたハンドル操作は許されない。パワステそのものは重めなのだが、応答は鈍感ではないのだ。カイエンもポルシェだから当然といえるが、911よりも裾野が広いカイエンだけに、初めてポルシェのステアリングを握る人は若干の心構えが必要だろう。試乗車は20インチを履いていたが乗り心地は上々だ。ファミリーユースに十分に対応する。

今回から新たに採用されたアイドリングストップ機構は、再始動時のショックは最新モデルとしてはほんの少しだけ大きめに感じた。逆にアイドリング作動時の感度はなかなか敏感だ。都市部では燃費向上に寄与してくれるのは間違いないだろうが、止まるか止まらないかの渋滞では、すぐにエンジンが停止してしまい煩わしく感じたこともあった。ただし、その際はセンターコンソールにあるアイドリングストップのオフボタンを押せば解除できる。また、坂道で作動するホールド機能も重量のあるカイエンにはありがたい装備だ。

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