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アスベストが引き起こす中皮腫の治療薬承認

アスベストが原因として問題になっていた悪性中皮腫の治療薬、「アリムタ」(一般名:ペメトレキセド)が発売されました。抗がん剤ですので、薬理作用や副作用も併せて説明しております。

三上 彰貴子

執筆者:三上 彰貴子

薬剤師 / 薬ガイド

悪性中皮腫治療薬「アリムタ」について

アリムタって?
効果や副作用などの詳細は、がんに詳しい医師にご相談ください
Q:アスベストで問題になった中皮種の治療薬が発売されたようですが、少し詳しく教えてください。

A:はい。平成18年1月22日、日本イーライリリー社から中皮腫治療薬(悪性胸膜中皮腫治療薬)の「製品名:アリムタ」(一般名:ペメトレキセド)が発売されました。

この薬は、海外では使用経験はありますが、日本での他の薬との併用の症例数が少ないながら、薬の早期必要性も高まり承認されました。そのため、発売後一定期間は、薬の安全性の確保と適正な使用が重要で、癌治療の体制が整っている病院(注)から導入されることになっています。
(注)以下の4つの基準を全て満たす病院と定義されています(日本イーライリリー社ホームページより)
1.がん化学療法に精通した医師が治療に従事している
2.がん化学療法に精通した薬剤師、看護師が勤務している
3.がん化学療法に関連した緊急事態に対応可能である
4.本剤の市販後の特定使用成績調査に協力可能である

なお、アリムタでの治療を希望する場合は、事前に医師または医療機関に確認をなさる方が確実でしょう。

アリムタの治療を受けられる医療機関>日本イーライリリー
※18年1月31日現在、発売間もないため、医療機関の掲載はありません。


中皮腫について

人間の内臓、肺や心臓、胃腸・肝臓などは、胸膜、心膜、腹膜という膜で包まれています。その膜が、表面は中皮細胞で覆われている中皮であり、この部分に発生した腫瘍を中皮腫といいます。それぞれ発生する場所によって、胸膜中皮腫、心膜中皮腫、腹膜中皮腫といいます。
 ※上皮に発生する腫瘍は、上皮細胞からなる癌として皮膚がん・食道がん・胃がん・肝臓がん・大腸がんなどがあります。

そして、胸膜中皮腫と腹膜中皮腫の発生原因のほとんどは、アスベスト(石綿)を吸引したことによるものとされています。

>>次のページでは、アリムタの薬理作用や効能・効果、副作用についてご紹介します>>
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