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東西ミックスされたようなちょっと変わった建築。
次の日はまず、人民広場近くの上海博物館へ。 最近どこもミュージアムショップは洗練されておりますが、 ここもやはり安心なセンスの良さでした。 陶器や布小物、文房具、アクセサリーなどなど、 シックでモダンなシノワズリーグッズがいろいろです。 ちょっとコうるさい友達へのお土産にも良さそう。 本もたくさん売っていて、アートや歴史、料理、絵本などもありました。 (中国語だけど、一部英語もあり。) ここではなぜか大量のフランス人に遭遇。やっぱり彼ら、 芸術の国から来た人たちなのねー。
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お金を入れると動く、子供用乗り物。
それにしても意味不明。ぶたがスイカ?!
次はとにかく普通に生活感のある、昔の町並みを巡ろう、ということで、 バスに乗って奥地へ。 まだまだ懐かしい、下町っぽい雰囲気が残っておりました。 外でご飯を作って食べてたり、物売りがリヤカーを引いてきたり、 洗濯物があちこちにぶら下がっていたりで、 活気の溢れる庶民的な地域。 ただし、中華っぽい匂いが強烈で、衛生的にちょっと・・・、 と躊躇するようなところも多々。人によって好き嫌いは 分かれるかもしれません。
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粉モノ専門店。軒先に商品が並ぶ。
ニセ秋葉原、という風の電気部品を並べた商店がチマチマと建ち、 (しかもウルトラ級時代遅れな代物が平然と並ぶ) イヌやネコも売っているよ、と友達が証言するに値する、 どこか胡散臭い肉市場があったり。朽ち果てた廃墟も 所々に点在し、ちょっと如何わしい雰囲気を漂わせつつも、 パワフルで生き生きとした、人々の生活感が感じられ、 白黒映画で見るような、昔の日本はこんな感じだったんじゃないかなあ、と思うのです。
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生活の一場面。
ベージュのホーロー食器がほのぼのとかわいい。
お皿なども、ヘボい花柄が懐かしい感じだった。
そしてそして、人々が日常生活で使われているもの達が、意外とかわいい。 特にホーロー製品は一般によく使われているらしく、 花柄の洗面器や、お茶碗などをあちこちで見かけました。 (生産は減っているらしいですが。) 屋台では、たくさんのホーロー皿をテーブルに並べ、 それぞれに食材を分けて入れています。 お茶屋さんなどでも茶葉を、縦長のホーロー缶で保存。 どうってことない普通の金物屋で、店の奥までひっくり返し、 ホーローのお椀を大量購入して、 目をキラキラさせていた私を、お店の人は変に思ったかも。 (しかもちゃっかり値切るし。)
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ホーローいろいろ。左上は骨董屋にて。
右上のツボみたいなのは、なんとトイレ。街の金物屋で。
下は洗面器。こちらは普通のおうちで使われていたもの。
さんざん歩いて疲れたので、お茶を飲むことに。 入った茶藝館は香港や台湾に比べると、 もっと質素で気取りのない、のんびりと落ち着くお店でした。 ここで飲んだお茶はガラスのコップにそのまま茶葉を入れ、 お湯を注ぐラフなスタイル。 ほっとしみじみするおいしさだったのです。 そしてお湯を足すために持って来た、アルミのポットがまたなんともレトロでだめなかわいさ。 こんなの今時なかなか見ないよねえ。 どうもすっかり腰を落ち着けてしまい、 気付いたら夕方になっていました。
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アルミのポット。コルクのようなフタがついてる。
さて、気を取り直して、もう一つの アンティーク通り、東台路へ向かう。 てん、てん、とやはり屋台のように小さな店が並んでいる。 最近日本の雑誌などでも紹介される場所だけに、 観光客慣れした雰囲気がありますが、 まあ、やはり強気で値切った方がいいみたい。 お店の人は電卓を持ってきて、買いたい額を打ってくれ、 と言いますから、コミニュケーションのつもりで、 楽しみながら値段交渉。こういうやり取り、結構面白かった。 でもあまり大きなお金は見せずに。 (高級品を買うなら別ですが) 友人はへっぽこ顔のネコのしょうゆ刺し(招いた手から、しょう油がつつーっと出る)を、 もう1人の友人はハデ目にカラフルな中国柄のお椀を購入していました。
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やっと上海っぽいところに来た!そびえるアトムタワー!
夜は中国人のお友達なども加わって豪華ディナー。 上海語をいろいろ習う。 そしてその後やっと、(観光客が思う)1番上海らしいエリア、 バンドへ繰り出す。 うーん、近未来な世界だった。(東方明珠塔をアトムタワーと命名)。 最後はまん前にあるピースホテルでジャズを聞く。 かわいいおじいちゃんバンドが演奏する、 どこか懐かしいサウンドに酔いしれたのでした。
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ピースホテルの天井ランプ。繊細で品がある。
たった二日間の濃密な時間。目まぐるしい街の様子に すっかり魂吸い取られ、成田で呆然と立ち尽くしてしまいました。 まるで夢だったようです。
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おまけ。お土産のひとつ、
インスタントスープの素。れんげ付き。
スーパーで売っている。
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