日本古来より、伝統工芸として親しまれてきた”漆”。 ちょっと高価でお手入れも大変で、大切に丁寧に扱うべきもの。 そんな印象が今までの私の中にはありました。 ところが最近、漆を自由な発想で表現したという、アートショップを見つけました。 場所は麻布十番。新しいレストランやカフェがあるかと思えば、骨董品店に老舗の菓子屋に温泉。 そして外国人も多く住む、という様々な要素が不思議に入り混じった街。 こんな街だからこそ、面白い試みが受け入れられるのかもしれません。
古びた棚に作品が並んでいる
上のお椀や真中左の四角いお盆は陶器。
下左はおろし金で、下右はラジオです。
作品はもちろん購入できます。
Q1.ギャラリーショップのオープンはいつでしょうか?
漆器屋は平成元年からです。 ギャラリーっぽくなったと言われると困りますが、アートショップの要素は 昨年の4月からです。
Q2.始めるきっかけは?なぜ漆の店となったのでしょうか?
漆の産地の漆職人の知りあいのところで、流通にのらない漆の世界があるけれど、 職人からみると商売にならないし、職人技とは関係ない部分のおもしろさを発見して、です。
Q3.漆のここが面白い、こんなところが注目、というのはありますか?
実は鉄にも塗れること。
Q4.お店にはどんなお客様が来られますか?お客様からの感想や面白い反応などあり ましたら教えてください。
こんな漆器見たことない、と面白がられます。色んな年齢趣味のお客様が来られますが、 共通しているのは好奇心やユーモアのある方が多いと思っています。 うちの店に来て、いままで大切にとっておいた輪島塗を、ばかばかしいので今後は普段に 使うことにしたと、言うお客様もいらっしゃいました。
Q5.作家さんの特徴や、作風などを教えてください。
売っている作品に関しては作家自身の作品ではなく、山川屋とのコラボレーションなの で、作家だけの考えによる作品ではないということです。よって他のギャラリーなどで は作家自身で売る気はなく、展示もしないとのことです。
Q6.林さん自身が漆に感じる魅力とは何でしょうか?
塗料としてはこれほどアナログなものはないんではないでしょうか? それに加えて高価な塗料であり、臭いしかぶれる(笑)。 いったい何のためにこんなもの塗るのかわからないのが魅力です。
Q7.その他好きなアートや最近注目していることなどありますか?
アートではありませんが、日本人の多数の意識レベルが世界的にも面白いところまで 遂に来た感じがして、経済は終わりましたが、東京などでは、一般人でも文化や意識の成熟 的な発展は、これから始まるか始まった感じがします。人々の美意識の部分での成熟発展 を注目していきたいです。
Q8.今後の予定は?どのようなお店にしていきたいですか?
売り上げは二の次でも、お客様に応えていけるように展開を考えていきます。
普段使いできそうなものもあります。
GALLERY&STORE 山川屋
東京都港区麻布十番1-5-25
03-3401-8577
営業時間 10:30~20:00 火曜休