雑貨/ナチュラル・シンプル雑貨

麻は夏だけではない ずっと使える上質リネンの店

リネンを専門に扱うショップを見つけました。ベルギー、リベコ・ラガエ社をメインに、イタリアやフランス、スウェーデンのキッチンクロスやバスタオル、測り売りやオーダーメイドもしてくれます。

江澤 香織

執筆者:江澤 香織

雑貨ガイド


夏に気持ちのよい素材である、麻。吸水力が強く、すぐ乾きやすいという特性がさらっとした肌触り を持続させるようです。 日本語でいう「麻」とは、実際はヘンプやジュートなど、様々な素材の総称を言いますが、 欧米で言う「リネン」とは、フラックスという植物の茎から作られたもの。 リネンは麻の中の種類の1つということになります。 ヨーロッパでは古くから大切に使われていた素材でありますが、 最近では日本でも、リネンの良さが見直されつつあるのではないかと思っています。 シワになりやすく、ちゃんとアイロン掛けしないと・・・という印象の強い「麻」ですが、 本当のリネンは使い込むほどに柔らかさが増し、より肌に馴染んでくるもの。 私もそのことに気づいてしまった一人です。 でもなかなか日本では良いリネンに巡り会えないなあ、と思っていたら、 やっとリネンの専門店を見つけました。


お店の入り口
お店の入り口には大きなテーブルが

二子玉川の高島屋裏に控えめに佇むショップの前には、大きなテーブルがセッティングされ、 清々しく気持ちの良い風景が広がっていました。


店内 ベルギーリネン リトアニアリネン
左:店内の様子。 中・右:リネンは測り売りも多数。

店の中に入ると、素朴な木肌の色が美しい、クローゼットや棚のそこかしこに リネンがディスプレイされています。この家具はバリ島原産の木をベルギーで デザインしたもの。とてもシンプルでナチュラルな印象。実は家具も販売しているそうです。

リネンの測り売りは、150年の歴史を持つという、ベルギーのリベコ・ラガエ社のものがメイン。 織物技術としての品質が高いのは、やはりベルギーなのだそうです。 原料フラックスの産地は同じベルギーのフランダース地方。 フランダースと言って思い出すのは「フランダースの犬」というアニメですが、 主人公ネロがなりたかったのは画家。そして油絵の原料はフラックスの種、リンシードオイル なのだそうです。

色数が豊富なのはもちろん、夏っぽい軽い風合いのものから、どっしり厚めでカーテンや ソファカバーにして冬でも使えるものまで、様々な種類が揃います。 横幅が3m近くの長いものもあり、用途も広がります。 そして最近日本でもよく見かける、リトアニア製も多少扱っていました。 こちらは少しざっくりとした素朴さが味。お値段も控えめなので気軽に利用できそう。 自分の好みのデザインで、オーダーメイドなども承っているそうです。


タオルやバスタオル コテバスティードのリネン
ジャム用リネン スウェーデンのリネン アンティークのリネン
イタリア、フランス、スウェーデンなどいろいろな国のリネンたち

キッチンクロスやバスタオルなど、既製品も多く取り揃えています。 上左はイタリア製、「120%lino(120%リネン!)」というブランドのハンドタオルやバスタオル。 バスタオルは結構大きいので、お客様から中くらいのものを、という要望が多くなり、 ちょうど良い大きさのものをお店オリジナルでも作っているそうです。

上右は南仏プロヴァンスのメーカー「コテバスティード」のキッチンクロス。新品は少しごわつきを感じますが、洗濯すると驚くほどくったりと柔らかくなります。

下左はコンフィチュールと言って、もともとジャムを漉すときに使っていた布を、 リデザインしたものらしいです。オーダーでイニシャルも入れてくれます。少し目が粗く、ざっくりしていますが、こちらも洗濯で格段に柔らかくなります。

下中はリトアニアで作られたリネンをスウェーデンでデザインしたキッチンクロス。 白地と色地の真ん中に入った、細い黒線がキリリと効いています。

下右はフランス1930年代くらいのアンティーク。厚みがあり、布自体はしっかりとしているのでまだまだ現役でも使えそうです。


コテバスティードのろうそく 白い陶器類
繊細なデザインが魅力。南仏コテバステード社のものたち。

コテバスティードは石鹸やオイルなどのバスグッズの他、ガラスに入った香りろうそく、 白い陶器のジャーやポットなどもあります。真ん中のジャグは店長もお気に入り。 丸みのあるぽってりとしたデザインと、ミルクのように暖かな白が特徴です。


手作りのバッグ アンティークの布団カバー
左:手作りリネンバッグ。右:オーナーの秘蔵リネン(非売品!)

お店を訪れるお客様もリネン好き、手作り好きの方が多いようです。 たまたま取材時にいらしていた上品なご婦人が持っていたバッグも 手作りのリネン製でした。持ち手の付け根にささやかな、白い花の刺繍がしてあります。 これはフラックスのつぼみか何かでしょうか?中から覗くブルーのチェックも爽やかです。

そしてオーナー秘蔵のアンティークリネンも見せていただきました。 少しくすんだ深みのある色がかわいいギンガムチェックの布はフランス・アルザス地方のもの。 実は子供用の布団カバーなのですって。もう100年以上も昔のものだそうです。


お店外観 フラックスの束 リネンの糸
左:店外観。 中・右:リネンの糸やフラックスの束のディスプレイ。

オーナー、店長そしてスタッフのみなさんから、リネンに対する愛情がしみじみと伝わってきて、 どこかゆったりと幸せな気分になれるお店でした。


The linen bird(リネンバード)
東京都世田谷区玉川3-9-7
TEL 03-5797-5517
  11:00~20:00 無休
http://www.linenbird.com/



リネンについては前田まゆみさんのインタビューもご参考に!


その他
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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