控えめに佇む看板
布作家の石川ゆみさん。ナチュラルでどこか優しい雰囲気のする彼女の作品 に魅了されている方も多いかもしれません。そんな石川さんと器好きな友人が始めたお店。いつかは・・・と漠然とした実店舗への夢を持っていたそうですが、偶然にも良い物件に巡り会い、 自分達のペースでゆっくりと内装を整え、ついにアトリエを兼ねたショップをオープンしました。
凛とした空気が流れる
外から見ると、なんてことはない、少し古めの普通のビル。実際、この物件に初めて出会ったときも、 それほどピンと来たわけではなかったのだとか。石川さん曰く「ブサイクな普通の事務所」。 本当に自分の思っているようなお店ができるのかと、最初は不安も多かったのが、床を外したり、壁を塗ったり、内装工事が始まって、家族や友人など様々な人たちの力も合わさり、 だんだんと形になっていったのだそうです。
素直な手作りのもの。
スプーンは福島から。冬の間の手仕事なんだとか。
木箱は宮崎の工房で。ヒノキ、カヤ、クワなど素材もいろいろ。
お店にあるものはみんな丁寧な作りで心の宿っているもの。大量生産されていない、 ここだけにしかない手作りのものを集めたお店をやりたかったのだそうです。 さまざまな縁で集まってきた陶器やガラス器、木工品などは、作家や職人が ひとつひとつ時間をかけて作っているものばかり。だからたくさんは作れず、 時には入荷まで待ってもらうこともあるけれど、出来上がるまでを ゆっくりと待つのも、楽しい過程なのではないでしょうか。
石川さんのバッグやキッチンクロス
石川さん自身も布作家。元々手作りするのが趣味だったそうですが、 特に学校で学んだりしたことはないそうです。その分、自由な発想で 生地の手触りや色合いを確かめながら、自分の感性を集中させて組み合わせを考えたり、 布を切ったり縫ったりしながら形を決めていくこともあるんだそう。 そこから思いがけない作品が出来上がっていく、 アーティスティックな感覚をお持ちの方でした。
手仕事が感じられる和のものたち
写真のカゴは東北地方でお茶碗など洗ったものを乾かすのに使うもの。 昔から作られているようです。しっかりとした編み目の均等な模様が美しく、 しかも水に腐りにくい丈夫な作りなんだそうです。 木のくりぬき椀やスプーンは、北海道の職人が作っています。 素材はとど松やえぞ松など北海道で採れる木を使い、ウレタン加工されているため、 色が変わりにくく、お手入れも楽なのだそう。割れないので子供用にもいいし、実際学校の給食用として 使われているところもあるんだとか。
微妙に形のちがう、シンプルな陶器
黒の陶器は益子の陶芸家佐々木恒子さんのもの。モダンにも和風にも似合う、 ニュートラルなデザインの中に、どこか温かさを感じます。白い陶器は 東中野で陶芸教室を営む、太宰久美子さんのもの。偶然のめぐり合わせで すっかり気に入ってしまったのだそう。 手びねりのちょっといびつな形が愛らしい、熊田恵子さんの作品もありました。
繊細で柔らかい雰囲気のグラス
奥はアトリエのスペース
Ekoca(イコッカ)
東京都渋谷区恵比寿南1-21-18 圓山ビル2F
TEL 03-5721-6676
http://www.ekoca.com
営業日時:12:00~19:00
定休日:日曜日 ・ 第2、第3月曜日(祝日は営業)
※第2、第3月曜と祝日と重なる時は翌火曜日が休み